二十一 ページ21
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『一緒に』かぁ。
…やっぱり同衾以外の意味はないよな。
「し、仕度をしてきますから、少し待っていてくださいね？」
『うんっ』
今夜も期待の目がつらい…。
(うーん…)
宏太さんは、どうやってあの子と寝ていたんだろう。
光先生も、そこまでは知らないと言っていたしなぁ。
いやでも、ご兄弟なんだから同衾でも問題ないか。
「おー、雄也、お疲れさん」
「お疲れ様です大さん」
「今夜も向こう？」
「ええ」
「律儀だね、寝間着くらい置いとけばいいのに」
せめて私物を一切、慧さんの部屋に持ち込まない。これが俺なりのけじめというか。
大さんは寛容に受け入れてくれてるけれど、新参者の俺が坊ちゃんと寝起きを共にしているのが面白くない者もいる。
全てに事なかれ主義を通してきたけど、ここで売られた喧嘩は買う。俺だって、こんな条件のいい奉公先を手放す気はないからな。
「なに笑ってんの？雄也」
「笑ってました？」
「犯罪者ぽかった」
「大さん、言うに事欠いてなんて事を」
「んははー！」
「後の二人は？」
ここは四人部屋だ。残りの二人、作造と芳助の姿はない。
「さぁ？羽目外してなきゃいいんじゃねぇ？」
羽目…ねぇ。
俺はこの時、大さんの言葉を額面通りに取っただけだった。
「ん？」
戻る途中の違和感に目を凝らせば、裏庭に面する硝子戸がそのままだ。いつもは雨戸が嵌まっているのに。
「閉め忘れか？」
こんな大胆に？思いながら近付いて、外にぼうっと浮かび上がる赤い光にぎょっとした。
ガタガタと戸を開け、裸足のまま飛び出した。
「ぁ、れ？」
「何だお前」
走り寄ればそこに居たのは。
「作造…さん。ここで何を？」
「ぁあ？点検に決まってんだろ」
点検だ？こんな時間にか？
ちらりと土蔵に目をやった。
ここは薬草が保管されてると、定治さんに聞いてる。
季節を通して適度な湿度と温度を保つ土蔵は、薬草の保管場所として最適なんだそうだ。
「坊ちゃんの付き添いか、いい身分だな」
何かにつけ難癖を付けたがる…こいつみたいな奴は何処にでもいるもんだ。
「ご苦労様です」
言い置いて踵を返す。何時もなら嫌味の一つも背中に乗せられる所なのに、何の言葉も追い掛けてこない。
珍しい事もあるもんだ…。
「つっめてぇ」
夜の庭に裸足で降りるもんじゃねぇな。
そっちに気を取られていた俺は、疑問に思いながらいつしかこのことを忘れてしまった。
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夏夢(プロフ) - mikaさん» mikaさまありがとうございます(*≧∀≦)読み返して頂いてるなんて嬉しすぎます！焦れったい展開で申し訳ないですが、もう少しお付き合いくださいませ♪ (2019年9月1日 20時) (
レス) id: 6404b316b5 (このIDを非表示/違反報告)
夏夢(プロフ) - みるみるみるきーさん» ひかセンセーは周りのことなら敏いのですwそーよね、仕掛けるの見たかったっす！慧坊っちゃんも動くかなー？ﾋｬﾋｬﾋｬ♪ (2019年9月1日 20時) (レス) id: 6404b316b5 (このIDを非表示/違反報告)
mika(プロフ) - このお話が好きすぎて何度も読み返しています…！慧さんと雄也さんの関係もさらに動きそうな予感…！？続きを楽しみにしてます♪ (2019年9月1日 19時) (レス) id: 8f2d116da6 (このIDを非表示/違反報告)
みるみるみるきー(プロフ) - いやぁぁんん。光先生ッタラァー。察しが良すぎるー。そして、、なんですと？仕掛けたかったですと？？なぁんてこと！！見たかったぞwwwそして、かわいいヤキモチもいい！さすがコウタさんの選んだ人〜〜。さて？色々バレちゃったシー。味方が増えた！ (2019年8月28日 15時) (レス) id: a47283bf22 (このIDを非表示/違反報告)
夏夢(プロフ) - みるみるみるきーさん» 私もびっくりだよゆやさん(笑)一体誰に教わったんだー！そんなテクで落とした坊っちゃん大変にならないといーけど♪うひゃひゃ (2019年8月2日 20時) (レス) id: 6404b316b5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夏夢
| 作成日時：2016年10月17日 11時
