二十 ページ20
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『一日の事を書き付けるだって?』
『はっきり聞こえなかったけど、そんな内容だったぞ』
『…チッ、面倒な事を言い出したなあの新入り』
『どうする?』
『ふん…なに、見える所だけ気を付けりゃいいだけの話だ』
『そ、そっか。それもそうだ』
『それより今夜だ』
ニヤリと笑い合い、先に物陰から男が出て行く。頃合いを見計らったもう片方も、当たりを警戒しながら素知らぬ振りでそこを後にした。
雄也.
早速光先生が話を通してくれ、旦那様に許可を頂いた。慧さんに提案してみると、はしゃいでしがみつかれたりすり寄られたり、そりゃもう大変な騒ぎに…。
熱を出すぞと半ば脅して(?)漸く大人しくさせたけど…嬉しそうでよかった。
慧さんの『仕事』は、お
光先生と相談してそう決めた。
そうすれば宏太さんも、留守中の流れが把握できるだろうと思ってのことだ。
勿論疲れてしまっては元も子もないから、定治さんや大さんがそれとなく監視することにしておいた。
やっぱ過保護かな…ま、仕方ない。
翌朝、店でお勘定作業をする、小番頭の宏光さんの後ろへ小机を置いて貰う。
「坊ちゃん、ここで一日の様子を見るんですよ」
定治さんが丁寧に教えると、慧さんの顔付きが真剣なものに変わった。
俺は俺の仕事をこなし、時折店を覗き様子を見る。
10時と12時、3時。お茶と昼休憩は必ず取ることを最初に約束していたから、そこで彼がごねることもない。
『楽しかった!』
夜、仕度を整えてると、そう書きつけた紙を差し出された。
「それなら良かった。でも、張り切りすぎは禁物ですよ?」
『わかってるー!』
寝台に転がって楽しそうな慧さん。
良かった…少しでも気が紛れるなら。
『ねぇ』
「はい?」
『そろそろ一緒に寝てくれるよね?』
…無邪気って罪だ。
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夏夢(プロフ) - mikaさん» mikaさまありがとうございます(*≧∀≦)読み返して頂いてるなんて嬉しすぎます!焦れったい展開で申し訳ないですが、もう少しお付き合いくださいませ♪ (2019年9月1日 20時) (レス) id: 6404b316b5 (このIDを非表示/違反報告)
夏夢(プロフ) - みるみるみるきーさん» ひかセンセーは周りのことなら敏いのですwそーよね、仕掛けるの見たかったっす!慧坊っちゃんも動くかなー?ヒャヒャヒャ♪ (2019年9月1日 20時) (レス) id: 6404b316b5 (このIDを非表示/違反報告)
mika(プロフ) - このお話が好きすぎて何度も読み返しています…!慧さんと雄也さんの関係もさらに動きそうな予感…!?続きを楽しみにしてます♪ (2019年9月1日 19時) (レス) id: 8f2d116da6 (このIDを非表示/違反報告)
みるみるみるきー(プロフ) - いやぁぁんん。光先生ッタラァー。察しが良すぎるー。そして、、なんですと?仕掛けたかったですと??なぁんてこと!!見たかったぞwwwそして、かわいいヤキモチもいい!さすがコウタさんの選んだ人〜〜。さて?色々バレちゃったシー。味方が増えた! (2019年8月28日 15時) (レス) id: a47283bf22 (このIDを非表示/違反報告)
夏夢(プロフ) - みるみるみるきーさん» 私もびっくりだよゆやさん(笑)一体誰に教わったんだー!そんなテクで落とした坊っちゃん大変にならないといーけど♪うひゃひゃ (2019年8月2日 20時) (レス) id: 6404b316b5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:夏夢 | 作成日時:2016年10月17日 11時