十六 ページ16
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「苦しくないですか？」
手早く丁寧にを心掛け、寝巻きも替えた彼を寝台に寝かせる。
なるべく見ないようにしてたの、変に思われなかっただろうか。
「はい、もうここにおりますよ」
くん、と袂を引っ張る仕草がいとけない。
ここ？と指差す寝台にまた頷けば、熱で紅い顔が漸く安心したように綻んだ。
俺の布団を見せたら…何でいやいやしてるんだ？
「私がここで寝るのはいけませんか？違う？じゃあ…っえ！」
ぱふぱふ、と、捲った布団を叩かれる。
「いや、幾らなんでも一緒は…ちょっと」
俺が平気じゃねぇの、判ってくれよ。
「宏太さんは寝てくれる……っていや、それは兄上様ですから」
って宏太さんどこまで添い寝してた？
しまった…光先生に聞いておけばよかった。
「…ぇ？何です？」
“一人はこわい”
そう紡がれる、音なき聲。
「慧さん…」
そりゃ、それで落ち着くならそうしてやりたい。
でもなぁ…
「慧さん、私はここで休んでますから。辛かったらほら、この物差しでつついて…」
最初のうちは触れられることにすら怯えて怖がったのだと、光さんが言っていたのを思い出した。
触れる行為そのものではなく、触れることに寄って生じる体温を怖がった…か。
冷たくなっていく身体に
当時小さかったこの子が、何をどこまで理解していたかは判らないけれど…。
この子の中に、未だ強く根付く感情なんだ。
どうしよう。
ここで拒絶したら、せっかくお二人が砕いている心を台無しにしてしまいそうだ。
「ぇ、」
袖をきゅう、と強く引っ張られてはっとすれば、涙を惜しまず泣き濡れる子供が目の前にいた。
「いやあのっ、け、慧さん泣かないで」
いや、ぎゅうって抱き付かれてもね？！
ぅわぁあ、どうすんの！
「何でだめ、て、」
焦れったそうに敷き布団を叩くのに、ほだされそうになるけども。
「泣かないで…お熱が上がってしまいます…ね？」
そっと滑らせた指は、温かな涙で湿ってく。
為す術考えて困らされてるのに、何で可愛いと思うかな。
俺頭おかしい絶対。
おまけに、濡れた目で無防備に見上げられたらもうさ…。
「つまりその、どこにも行かないから、どうしても辛かったら
寝台よりは俺の気の持ちようが違うから、妥協案で納得してくださいお願い。
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夏夢(プロフ) - mikaさん» mikaさまありがとうございます(*≧∀≦)読み返して頂いてるなんて嬉しすぎます！焦れったい展開で申し訳ないですが、もう少しお付き合いくださいませ♪ (2019年9月1日 20時) (
レス) id: 6404b316b5 (このIDを非表示/違反報告)
夏夢(プロフ) - みるみるみるきーさん» ひかセンセーは周りのことなら敏いのですwそーよね、仕掛けるの見たかったっす！慧坊っちゃんも動くかなー？ﾋｬﾋｬﾋｬ♪ (2019年9月1日 20時) (レス) id: 6404b316b5 (このIDを非表示/違反報告)
mika(プロフ) - このお話が好きすぎて何度も読み返しています…！慧さんと雄也さんの関係もさらに動きそうな予感…！？続きを楽しみにしてます♪ (2019年9月1日 19時) (レス) id: 8f2d116da6 (このIDを非表示/違反報告)
みるみるみるきー(プロフ) - いやぁぁんん。光先生ッタラァー。察しが良すぎるー。そして、、なんですと？仕掛けたかったですと？？なぁんてこと！！見たかったぞwwwそして、かわいいヤキモチもいい！さすがコウタさんの選んだ人〜〜。さて？色々バレちゃったシー。味方が増えた！ (2019年8月28日 15時) (レス) id: a47283bf22 (このIDを非表示/違反報告)
夏夢(プロフ) - みるみるみるきーさん» 私もびっくりだよゆやさん(笑)一体誰に教わったんだー！そんなテクで落とした坊っちゃん大変にならないといーけど♪うひゃひゃ (2019年8月2日 20時) (レス) id: 6404b316b5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夏夢
| 作成日時：2016年10月17日 11時
