Dekigokoro・別館４

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発端はまだ若い頃。

酔った勢いか何かでキス魔と化したおれとやぶが、まず間違いを起こした。

ぶっちゃけやりたい盛りですよ。まぁでも、正気に返って二人で真っ青んなったよね。

そう！自然におれが抱かれてた！
どうなのそれっ。オトコのプライド問題！

なんて、最後までいってませんでしたけど。
だって酔っぱらいよ？やり方も知らなかったし(初心だったよねぇ)。

そこで止めときゃいいのに、なまじ好奇心が勝って調べちゃったからさ。

エスカレートしてくじゃん。

おれもやぶも、女の子フツーに好きだったけど、なんつーかその、痒い所に手が届く的なノリでねぇ。
気が付けばすっかりそんなカンケイに。お陰で細心の注意を払うハメよ。
おれはともかく、あいつ意味なく触ってくんの好きだし。勘繰られたら色々面倒だろ？


長いこと秘密だったやぶとの仲に、何でひかるが加わったかってーと。



バレたから。



何処でだったかな、ツアー先のホテルかな。
ディープなチューをね、しっかりと見られたわけですよ。
おれはやめろって言ったのに、あいつ止まんねーから。

潔癖のケがあったひかるは、そりゃあもう怒る怒る。

そこで悪びれなかったんだな。やぶも、おれも。
別に悪いことと思ってなかったから、思い切り巻き込んでやりましたとも。

勿論抵抗してきたけど、その頃おれら無駄にテク磨いてたからね。何も知らないひかるを落とすなんて、簡単だったわけ。





「浴びてきた？ああほら、よく拭かないと」

「ん…いのちゃん」

「なに？足りなかった？」

「それは足りたよ…でもキス、欲しい」

「それは後でね。風邪引いたら厄介だろ」

抱かれた後のひかるはくてくてで、可愛いくなるんだよ。

やぶは今メンバー内でもダントツに忙しいけど、抱いて欲しいとせがむひかるを拒みはしない。


何故かっていうと。

休養せざるを得ないひかるの状態は、公表してるより少し複雑。

新しい事への挑戦は元より、今までやれていたことにも、制限がかかる治療の筆頭は。

ストレスからの解放、気を楽にして過ごすこと。

それはともすれば、新たなストレスを生む負の無限ループにも繋がるわけで。

ひかるは生真面目だから、『〜しなきゃいけない』と行動の基準が義務化する、ドツボにハマる傾向が高いんだそうだ。


加えて孤独になりがちな現実。



一人じゃないって、常に。

身体にも。ココロにも。

何度となく。

何度でも。

求められるままに。

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