Dekigokoro・別館４

きれい(ybhk&tkin) ページ18

※ybhk夫婦、マナムスメin、カレシtk…な関係図。


tk.


「お前伊野尾に何した？！」

「は？」



本日撮影日で、俺、薮くん、光くんと裕翔が当番。

楽屋入りした途端の詰問に、些か寝惚けてた俺は毎度すぐ答えらんなくて。

「えーと？」

回らない頭なりに、多分これは言い掛かりと踏みましょう。
目を三角にしてる薮くんには、触らぬ義父に祟りなし方式で行きますっ。

『何のことか判る？』

代わりに口パクでお義母さん(ひかるくん)に聞いたけど、相変わらずおっとり「さぁ〜」って。
参加する気ないでしょ。

「伊野尾の機嫌が悪かった」

「ぇえっ？！」

問答は不毛と思ったか、薮くんの一言に俺もビックリ。

「声がでかいっ」

「ごめん。あ、すいません何でもないっす」

こっち見てるスタッフに笑って誤魔化し、声を潜めて聞いてみた。

「何で？」

「だからそれをお前に聞いたんだ。何した？言えっ」

え？いやそれはちょっと理不尽…。でもたまに心当たりがある時もあるので(そりゃあね、恋人同士だもん)、反論が微妙になりがちですけどぉ。でもねっ。

「お前しかいないだろうがっ」

「違いますぅ」

今回に限りしてない自信がある。だってさ。

「俺、伊野尾くんとちょっと会えてないの。せいぜいLINE止まりなの。だから判りませーん」

「ほほー？倦怠期か？」

「何でそうなるんだよっ」

ほらねっ、すぐそーゆーこと言う！モラハラだモラハラ！いやチチハラか？

「すこぶる順調ですよーだ。てゆーか、そもそも何でそうなったの？」

至極冷静に素朴な疑問を返せば、うっと詰まってる。

「いや実はな、電話掛かってきてさ」

「え？！」

いのおくーんっ！俺には滅多くれないのにどーしておとーさんにっ！
てのが顔に出てたのか、明らかにドヤ顔の薮くんがさぁ！

「いやまぁ何てことない話してたんだけど」

マウント取って来たよこの人。なんかムカつくわー。伊野尾くん絡むとマジでイイ性格なんだから。

「なんつーかこう、奥歯に何か挟まった感じでそのまま」

「一方的に切られた？」

「まぁ…そうね」

「それ何か思うとこあるからでしょ」

「だよなぁ…」

「それ俺にじゃなくて、薮くんに…ってことだよね、心当たりは？」

「ない」

言い切りますねおとーさん。
でも確かに珍しいかな。伊野尾くん、基本薮くんには甘えるのに。

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