Dekigokoro-no-page 8

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hikaru.


それまでとことん不真面目だったケイの、真摯で真っ直ぐな青い瞳。

まんまと絆されたとゆーか。

(今思えば、あれも一種の魅了術だったかもなぁ…)

俺自身、そんな大層な肩書き持ってるなんて自覚はないけど。


「さぁて、仕上がりは明日のお楽しみにして寝るか」

いけね、すっかり世界に入っちゃってた。…ん？仕上がり？

「ケイ、仕上がりって…」

「ほらヒカ、寝るよ？」

「ぁ、うん」

浮かんだ疑問は毛布に覆われてしまう。

「…………」

………何だか変なの。
コータとずっと寝ていたから、居ないと変…。

「ふふ、ケイ(おれ)じゃ足りないって顔してるー」

「そっ、そんなことないっ」

慌てて潜り込めば、ぽふんと俺の腕にケイの頭が乗っかる。

「ヒカルの腕枕久しぶりー」

えーと。この人意外と甘えん坊なんだよ…。
ああでも…普段衣に隠れている身体は、夜着越しだとこんなにも細い。

「ケイ…お願いがあるんだけど」

「なに？」

「せめて冬の間だけでもここにいて」

拠点だなんて、寂しい言い方しないで。

「ここはケイの家、そうでしょ？」

きゅ、と抱き締めてしまう腕のなか。
苦しいよ、って声に慌てて力を緩めた。

「家…ねぇ？」

「おうちだよ。大ちゃんもいるって言ってたから、お願いここで冬を越して」

言い募ってると、ほうっと溜め息をついて…笑った？

「敵わないねぇ…リョースケの料理も気に入ったし…居てもいいかな」

「ケイっ…！」

「だから苦しいって」

穏やかに笑いあいながらケイを抱き込めば、少しもしないうち静かな寝息が聞こえてくる。
元気そうに振る舞ってるけどやっぱり…。まだ体力が戻ってないんじゃないか。

「おやすみなさい…」

って。

コータ大丈夫かなぁ…。

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