Dekigokoro-no-page 8

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そんな騒ぎも、半日経つ頃にはすっかり落ち着く。

まだ明るいうちに大ちゃんを送り…冬の間はこの森にいるから、また遊びに来ると言ってた。

飄々と付いてきたケイは、散歩と称して森のあちこちを気ままに歩き回り、病み上がりなのに！とコータくんに吠えまくられてる。

勿論ユーヤだって散々止めたけどね、聞くわけないでしょ。どころか、逆に付いてくるのを止められて…ショック受けてたなぁ、アレ。



「もー、何で付いてきたかなぁ」

「おまえが無茶しないようにだろっ！」

「なーまいきっ」

「いててっ！耳摘まむなっ」

コータくんも素直じゃないんだから…。
人型だけど油断モード。銀髪の間から飛び出てる狼の耳を、ケイにいいように弄られてる。


「……うん、結界は生きてるね」

「はい。ヒカルくんも随分成長しましたよ」

「いーいことだねぇ」

すうっ…と冬の空気を肺に取り込む彼の横顔は、すっかり血の気を取り戻してる。

「今夜からかなり冷えるよぉ」

「そろそろ雪ですか？」

「うん」

見上げた空はまだ陽射しがあって、温かいのだけれど。

さっきの剣幕はどこへやら、我々の視界から消えない範囲で飛び回ってるコータくん(監視どうしたのw)を横目に、「ケイ」と呼んでみた。

「んー、早い方がいいねぇ」

「ええ」

のんびり構えてるけれど、青い瞳はコータくんを見詰めてる。

「明日か明後日…かな」

「今夜は？駄目なんですか？」

素朴な疑問を投げ掛ければ、ふいっと俺の方へ振り向いた。

「今夜はねぇ…ユーヤとイイコトするからさぁ？」

駄目なんだよぉ、って。

「ぇ、ぁ、…無粋を申しました」

「ふふふふふっ」

俺としたことがぬかった…。

「ユート！顔赤いぞ？風邪か？！」

走り込んできたコータくんを、つい羽交い締め。

「いってー！何すんだっ」

「早く大人になれよ小僧っ」

「イミわかんねー！はーなーせー！」

「まーぁユートったら大人気なぁい」

貴方が言わないでくださいよ。



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