六十四 ページ17
光.
「すごいよ慧、大分よくなった！」
拍手でもって終わりの合図にすると、頬を紅潮させた慧が『ほんと？』と聞いてくる。
「本当だとも！でも焦りは禁物だ。今日はこれで終いだよ？いいね？」
こくんと頷く慧が、俺の側までやってくる。
「見るかい？もう少しで完成だ。ああ、針に気をお付け」
『兄さま喜ぶねぇ！』
「そうかな？だといいけれど」
『保証する！』
「ありがと、頼もしいよ」
宏太の誕生日祝いにと、綿入れ半纏を作ってる。
祝言の少し前からこつこつ縫って、漸く完成にこぎつけられそうだ。
まだまだ寒さが染み入る季節、きっと着て貰えると思う。
(ま…向こうに居たら
『ひかー？』
「は？ぇ？」
『顔あかーい』
「こらっ、からかわないの」
きゃあきゃあとじゃれあう。
�狆任蠅篭慂���
慧と俺との約束ごとは、まだ始まったばかり。
『声を出したい』
慧からそう持ち掛けられた時は、本当に驚いた。
雄也と沢山話がしたいから…か。
ま、聞いたの俺だけだし、宏太が知れぱ慰めんのもめんどくさいから、きっかけは闇に葬っとこう。
慧に取って最大にして唯一の原因である、事故。
内に閉じ籠っていた慧の心は今、解放に向けて踏み出したところだ。
雄也に向かう気持ちが何なのか…自覚したらまた一騒動ありそうだね。
「失礼しますよ…お稽古は終わりましたか？」
「ああ。ありがとう」
盆を携えて入って来た裕翔にも、怯えなくなった。
どころか、寛いだ格好のまま、茶菓子の饅頭に伸ばした手を叩かれる始末。
「こら。お茶を淹れてからですよ」
『はぁーい』
「語尾を伸ばしてはいけません…膨れっ面もダメです」
うーん。裕翔…遊ばれてることに何時気付くかねぇ。
(勤勉で頑固で融通がきかない…堅物という言葉を人にしたら裕翔になりそうだ)
最も、その真面目さが功を奏し、宏太んとこの薬草流出に、いち早く気が付いたのがこの裕翔だし…。
(目の利く良い医者になりそう)
なんて…俺も負けては居られない。八乙女医院をもっと大きくして、沢山の人達を救いたい夢の為にも。
(…二人とも可愛いこと)
俺が新たな誓いを立ててる間に躾？は終わったらしく、のんびり饅頭を食べてる二人を眺め、程好い温度になった茶を啜った。
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夏夢(プロフ) - ましろさん» はぃい(^^;元気な爺様ですわwさーて坊っちゃんが先か、紫さんが先か。次章で何とかなればいいんですけども(^^;移行先でもまた遊んでくださいね〜(*^^*) (2021年6月13日 20時) (
レス) id: 5f3d433f1b (このIDを非表示/違反報告)
ましろ(プロフ) - たくさん更新〜♪ ご・隠・居・さ・まったらぁ(≧∀≦) どんだけ浮かれてるんですか(もっとやってよくってよ) 坊っちゃんそろそろ限界ですかね？ 使用人お三方、良い味出してる〜！続き楽しみです(^-^) (2021年6月13日 12時) (レス) id: 8371985186 (このIDを非表示/違反報告)
夏夢(プロフ) - みるみるみるきーさん» スキップ、って素直に書けたら楽なんですけどねぇ(日本語縛りの壁w)ひか先生も通ってきた道なんで、慧ちゃんの気持ちがよくわかるのかもw次章もぜひ遊びに来てくださいね〜(*^^*) (2021年6月13日 8時) (レス) id: 5f3d433f1b (このIDを非表示/違反報告)
みるみるみるきー(プロフ) - きたきたきたー！更新ーー！！やはり、そうだったのか！ひか先生さすがだわー。御隠居は絶対スキップしながら言いふらしてんだろーなー。女三人の会話も…いやぁ、色々気になるわー。移行先、どんなことになってるかなぁ。楽しみすぎる！ (2021年6月12日 19時) (レス) id: a47283bf22 (このIDを非表示/違反報告)
夏夢(プロフ) - みるみるみるきーさん» 大ちゃん益々隠密めいてきたですwwwそんでねみるさま、そこはほら、これからに繋がるのよぉおお( 〃▽〃)気合い入れて頑張るぞっ( ≧∀≦) (2021年5月24日 19時) (レス) id: 5f3d433f1b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夏夢
| 作成日時：2019年8月29日 8時
