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光の言うことは最もだ。
「確かにそうなんだよなぁ…」
「だろ?…ちょっと話逸れるけど。俺も日頃から
「そうなの?」
何か日常的に幽霊見えるタイプかと。さっきの様子からして、けっこうしんどかったんじゃないかと思ったんだけど。
「昔は見えてたの。それこそ生きてるかどうか区別付かないくらい」
「そうなんだ?」
「うん。子供だったからさ。全部にバカ正直な反応しちゃって」
光は首の辺りを掻きながら、キュウリを摘まむ。
「だから俺、小さい頃身体弱かったんだよね」
淡々と、世間話のように話す光。
さらっとカムアウトもだけど…こいつ今、俺を信用したってこと……そっか。
「…なにニマニマしてんだよ気持ち
いやちょっと嬉しいかなーと思ってたんですけど?!
「で、弱いって何で?」
向けてきた半目をふと戻し、「ああ」と頷く光。
「負荷が掛かりすぎてたんだろうね」
『修行』もしていない小さな身体が『視える』のは、かなりの負担だったらしい。
「なんてーか…大きくなるにつれて切り替えが出来るようになった、みたいな」
「スイッチのON·Off的な?」
「そんな感じ。子供のうちは判んないから何でもかんでも受け入れてたけど、大人になれば閉じる事も出来るからさ」
じゃ、今の伊野尾は…。
「いのちゃんの場合は違うよ」
「え」
「完全に別人が一つの
「確かに…」
堂々と胡散臭い話を繰り広げてる俺ら。個室を希望してきた理由も納得だ。
「伊野尾に話してみるわ」
実家に連絡した方が確かによさそうだ。
あ、と…それから。
「なぁ?」
いももちにかぶりついた光が、目を向けてきた。
「これ真面目な話なんだけど」
もぐもぐしながら促される。
「伊野尾がな、可愛いんだよ」
ごっくん。マンガみたいな擬音がした。
「真顔で惚気んのやめてくんない?」
「聞けって」
てかお前にしか言えないだろ。嫌そうな顔すんなっ。
「なんつーかさ、その」
上手く説明できず後ろ頭を掻いた。『可愛い』と思うことはこの五年何度もあったけど、どうにもそれとは違う気がしてならない。
「これってやっぱ、影響の一つだと思う?」
…って。言えば言うほどドツボに嵌まるような。
最早いももちに集中してた光が、んぐんぐと飲み干したジョッキをコン!と置いた。
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夏夢(プロフ) - 黄色いうさぎさん» こちらこそいつもありがとうございます😊そうですね、紫さん他の3人よりちょっぴり大人です。次章もぜひ遊びに来てくださいね〜☺️ (1月12日 21時) (レス) id: 5f3d433f1b (このIDを非表示/違反報告)
黄色いうさぎ(プロフ) - 更新ありがとうございます。紫さんが色々と紳士的な対応でいいなって思っております。この先現実世界で何が起きるのか楽しみです😊 (1月12日 19時) (レス) @page49 id: ef1652ec47 (このIDを非表示/違反報告)
夏夢(プロフ) - ましろさん» 可愛い黄色さん💛お持ち帰り案件ですよねっ🤭さて、現実世界でなにが起こるんでしょうか😅次章をお楽しみに〜😊💕 (1月12日 8時) (レス) id: 5f3d433f1b (このIDを非表示/違反報告)
ましろ(プロフ) - 泣き上戸な黄色さん可愛すぎです🤣どうにも『さわり』が気になるところですが😁平和の戻ったふたりのこれからのお話も楽しみです〜✨ (1月11日 21時) (レス) @page50 id: f14529ed1c (このIDを非表示/違反報告)
夏夢(プロフ) - 黄色いうさぎさん» 計さまったらさらっと謎を残して逝かれましたねぇ😅ぇええ、そんな嬉しいことをありがとうございます😆書けたらいいなぁ😊💕 (12月22日 21時) (レス) id: 5f3d433f1b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:夏夢 | 作成日時:2023年7月23日 22時