Dekigokoro・別館５

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in.


ずきーん。

「ぬ゛っ…ぁ」

ずっきんずっきん。

「た…ははっ…」

完全に二日酔いだこれ。
いっそ酒樽に浸けてくれ状態。

身動げばずっきん。いや、息するだけでずきずき。
おまけにムカムカ。さいっあく。

「起きたかー？」

「う゛ぃ゛ぃ゛………」あ゛？？

待て、ここ何処。

確か裕翔と飲みに行って、やまだの一人事情聞かされて…あれ？

「ポカリとタオル置くぞ？俺もう出ないとだから」

待ってこれ幻聴？

「いのおー？ったく…髪まで酒臭ぇ」

ふはって笑い方のコイツはアイツだ！

「ゃぶぅ…？」

「はいよ？」

はいよじゃねぇ！何でいんの！と、叫び損ねたおれの頭をまたポムポムして、よいしょっと立ち上がる気配。
ぐわんぐわんしてるー、だめだこれ。

「諦めて寝てな。今日夕方からだろ？」



何でおれのスケジュール知ってんの。てかそもそもおれ、ゆーとと飲んでたんだけど。あ、そうだ美味しいワインあったんだよこんど行こうねぇ。
そんでさ、………えーっと。山田の…ぁ、なしなし、これはなーしっ。
んんん？何だっけ？おまえのこと、聞いたんだよ。何かねぇ…大事なこと？

「わかったわかった。今夜ここ帰ってきて？俺もそんな遅くならないから」

「う゛ぃ゛ー」

行ってきますのキスを残しやぶが出ていく。

それからちょっと寝て、シャワー浴びて冷蔵庫を漁る。
冷凍ごはんを茶漬けにして食べると、大分すっきりしてきた。

「…そーゆーことだっけ」

放置してた裕翔からのメッセージを読めば、蘇ってくる己の記憶。
そもそもおれに話したかったのが、「中々に生々しくも、容易にエ○スを感じたやまだの一人上手案件…」て、言い回し変えても変わんねーか。

くれぐれもヤマには内緒ね！とお願いポーズまで付いたメッセージを眺めつつ。
うんまぁ、やまだには(・・・・・)言わない。

だっておれの脳内、すっかり『やぶの一人えっ○事情』に染まってるもん。

見たいとかおねだりしたら見せてくれるかな？いや、それだとおれのも見せろとか言われて…………。

うん、感謝するわゆーとっ。
大人になったおまえに乾杯っ。




一旦家に帰るべく支度を整え、合鍵を手にして眺めた。
何時からか交換するようになった、家の鍵。

うっかりそんなトコ見られたら、いっそ死ねる。
待てよ？条件は一緒か。








機会狙って、忍び込んでみよっか。









めっっ…ちゃくちゃ楽しそう。









end.

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