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礼を言って、少し軋むガラスのドアを閉めた。
「?」
ざわついてる向かい側に目を向ければ、老婦人がしきりに下を向いてる。
落とし物でも?
近付きかけて足を止める。
良く見ると、彼女の側に何かが蹲ってる…犬の散歩だったのか。
『大丈夫です、ありがとうございます』
(えっ?)
そこに蹲る物体は犬じゃなかった。おまけにその声に聞き覚えがあった事で、俺に取って他人事じゃなくなる。
「ちねん?」
駆け寄れば『あらお知り合い?』的な視線を寄越す老婦人。間違いなく知念なのを確認して、俺は愛想良く笑顔を見せた。
「私の知り合いです。お手を煩わせてしまいましたね、すみません」
あらそんな、と謙遜する婦人にこの先は問題ないことを告げ、ご退場頂く。
「知念どしたのこんなとこで…って、何処か入ろうね…ん?この先にカフェ?近い?そう。じゃ取り敢えずそこ行こう」
俯いたままの声を何とか聞き取り背を向けようとしたら、おんぶを頑なに拒否。
プライドが邪魔するお年頃か、仕方なし腰を軸に身体を支え立ち上がらせた。
熱中症だと思うけど、道の説明が出来るなら意識はしっかりしてるかな。
間も無く辿り着いたカフェはこの子を知っているらしく、すぐに奥のソファ席に案内された。
状態を伝えるとテキパキと処置をしてくれ、俺の出る幕なし。
後から聞いたけど、ここのマスターは元医者なんだそうだ。
医者からカフェのマスターって、凄い転職だよな。
「ごめんね雄也…」
「復活してきた?」
「ん」
やっぱり軽い熱中症だったらしい。適切な処置と、涼しい場所で休んだからか、大分顔色も戻ってきた。
小さい声に、怯えさせないようそっと額に手を当てる。
「全く…ごっこも時と場所選べよ?」
「バレてた?」
「ん?まぁね」
軽い笑いと共に、静かに話す。
伊野尾くん達から聞いてはいたけど、まさか自分が
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夏夢(プロフ) - ましろさん» 紫さん受難の回w幸せの前に苦難は付き物…なんちゃって😅ぎょっとしてる黄緑さんと共に次章へお引っ越しでーす😁 (2022年4月16日 11時) (レス) @page20 id: 5f3d433f1b (このIDを非表示/違反報告)
ましろ(プロフ) - わたしも忘れてましたw しかし紫さん災難でしたね😱想像するだけで足の指が痛くなります💦 最後の青さんの台詞、どういう事なんでしょ!?続き楽しみにしてますー❗ (2022年4月15日 18時) (レス) @page49 id: 8371985186 (このIDを非表示/違反報告)
夏夢(プロフ) - ましろさん» ぎ・ゃ・あー😱😱返信遅れまくってすみませんー!何かとミステリアスなマスターは、完全に私の趣味です😅黄色さんと紫さんに進展はあるのでしょーか😅移行先でもお付き合いよろしくです😆💕 (2022年4月15日 13時) (レス) id: 5f3d433f1b (このIDを非表示/違反報告)
ましろ(プロフ) - き・に・な・るーー!! 黄色さんと青さんの関係ー!!ww やぶいの至上主義なわたしですが、紫さんの切なさにうるうる涙しております😢 でもこのヤキモキ感を楽しんでもいます(鬼😅) (2022年2月2日 8時) (レス) @page39 id: 8371985186 (このIDを非表示/違反報告)
夏夢(プロフ) - naさん» naさま。コメントありがとうございます😊❗狼くん、いずれこっそりお目見えするかもしれません。その時はまた遊びに来てくださいね😆💕 (2022年1月7日 19時) (レス) id: 5f3d433f1b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:夏夢 | 作成日時:2021年8月9日 16時