【d!】バタフライ運命論【em】 (ページ1)

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1.えーみーるバタフライページ1

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バタフライ効果をご存知だろうか。

これはとある国の学者の「ブラジルでの蝶の羽ばたきは、テキサスでトルネードを起こすか」という発言から生まれた現象名である。彼の理論では、蝶の羽ばたきほどのわずかな変化から多大なる変化を引き起こすという。自分の些細な言動が、思いもよらぬ場所で思いもよらぬ影響を及ぼしているかもしれないと考えると、途方もない思考になるだろう。

「風が吹けば桶屋は儲かるのか、それとも…」

さて、どちらに転ぶのか。

【えーみーるバタフライ】

目が覚めて真っ先に視界に映ったのは、見慣れた天井だった。
私は記憶も曖昧なまま、どうやら自室のベットで寝ていたらしい。

「いま何時だ…」

窓ガラスが強風でガタガタとゆれる音に起こされ、枕元に置いてあったスマホで時間を確認する。と、そこで画面に移る通知を見てはっとする。

昨日は放課後坂本さんに呼び出されていつもの場所に行ったのだが、その後の記憶がほとんどない。まさかまた気絶したのか…？と一抹の不安を浮かべながら彼からのメッセージを開いた。

[おはよう、調子どう？]

[君昨日その場で倒れて僕たちで運んだんだからな！感謝しろよ]

思わず頭を抱えた。一日にこう何度も倒れたと思うと、自覚したせいか体がだるく感じてくる。いやいや、気のせいだと思い込むことにして窓の外を確認する。どうやら風が強いだけで雨は降っていないので、これなら歩いて登校できそうだ。ベットから起き上がって、学校に行く準備を始めた。