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少し重量感のある扉を超えて、階段を一番上まで登る。
鎖で施錠されていたそこを過ぎて、行き止まりまで来た。
私がやってきたのは、ショッピングモール4階の端にある非常階段の一番上だった。
もしかしたら監視カメラで関係者に見つかって、勝手に入るなと怒られてしまうかもしれない。でもあと2時間ちょっとなんだ。頼むから来ないでくれ、ときっくんも含めてそう願いながら座り込んだ。
薄暗い場所は人の気配一つしない。ちなみに私のホラー耐性は人並みだ。いや、人並みより少しは耐性がある。怪異とかいう超常現象に立ち会っても正気でいられるのだから、私にはホラー耐性があるのだろう。
それでも、怖い。何がって、そりゃきっくんがだ。
彼は3時間でどう私を見つける気なのだろうか。正直あと2時間もここで座り込んでいるのは精神的にキツい。
気を紛らわすため、ポケットからスマホを取りだした時、それが細かく振動する。
「さ、坂本さん…？」
マナーモードにしていたスマホに着信が来た。相手は部長。私は通話ボタンをタップして、小声でもしもしとその着信に出る。
「もしもし、部長？」
『あ、出たでた！よかった、まだ生きてたんだね。もしかして隣にきっくんいる？』
「居ません。というか…今それどころじゃなくて…」
『なんでコソコソしてんの？もしかして、今きっくんから逃げてたりする？』
「察しがよくて助かります。彼、本当に吸血鬼だったんです。部長たちの推測もほぼ全部当てはまってたみたいで…今は彼の提案で鬼ごっこしてます」
『え？鬼ごっこ？なんで』
「3時間逃げ切れたら見逃してくれるって言われたんです。それで今は非常階段の一番上で芋ってます」
私から事の詳細を聞いた彼はうわ、と心底呆れた様子で言った。
『何その負け戦。君、本気で彼から逃げられると思ってるわけ？相手はわざわざ転校してまで君のこと探してたんだよ、よく信じたねその言葉。3時間たってもどうせ君を捕まえるまで付きまとわれるよ』
「…確かに、そうかもしれませんけど、これはゲームなんです。不戦勝なんてしたくないです、ルールに従った上で、ちゃんと勝ちます」
『…はぁあ…………これだからオタクは。…死なないでね』
「もちろんです。待っててください」
坂本さんと話しているうちに、自然と自信がついた。そうだ、ここで終わるわけにはいかない。
決心をして、彼との通話を終えた時。
キィ、と、思い扉が開いた音がした。
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なーや(プロフ) - reoru(テイル)さん» コメントありがとうございます！Kさん推しなんですね…！同士の方とこうして出会えて感激です〜！次回作もぜひお願いします(*^^*) (2021年10月19日 21時) (
レス) id: 8296248943 (このIDを非表示/違反報告)
なーや(プロフ) - 管理人さん» コメントありがとうございます！前作から見て下さってるんですね…！とても嬉しいです！次回作もよろしくお願いします(*^^*) (2021年10月19日 21時) (レス) id: 8296248943 (このIDを非表示/違反報告)
reoru(テイル)(プロフ) - 完結おめでとうございます！推しだったので、死にかけ(尊死)ながら読んでました。次回作も死なないように頑張りますので、体調に気をつけて頑張ってください！ (2021年10月19日 15時) (レス) @page33 id: 4d94c0fd69 (このIDを非表示/違反報告)
管理人(プロフ) - なーやさん完結おめでとうございます！Fさんのから見ていますが、今回のもすごく良かったです！次回作も楽しみにしてます！ (2021年10月19日 7時) (レス) @page33 id: af5b844ff4 (このIDを非表示/違反報告)
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