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不意に、彼が少しだけ身を乗り出してこちらに手を伸ばしてきた。咄嗟に後ろに体を引くが、ボックス席のため逃げ場もなく、私はぎゅっと強く目をつむった。
しかし、彼の指先は軽く私の口に触れただけで、そのまますぐに身を引いていく。恐る恐る目を開けると、彼は指先についたパフェのクリームを、そのままペロリと舐めとった。
その光景に、どっと心臓が跳ね上がる。
クリームに混ざる赤いいちごのソース。その後こちらを見ながら目を細め、先程までとは違う、到底18歳男子の顔とは思えぬ表情で笑う彼の口の隙間に、鋭い歯が見えた。
「＿＿＿気づいてて今日、ここに来たの？」
彼は、間違いなく吸血鬼だった。
跳ねた心音が、私の冷静さを欠いていく。落ち着け。そう言い聞かせても、緊張感に飲まれそうになった。
「…先輩は、どうして私だって思ったんですか」
「ああ、そこまで察してたんだ。もしかして先祖の手記にでも書いてあった？俺の一族のこと」
「いえ…単なる勘です。今までろくに接点もなかったのに、いきなり休みの日に出かけに誘うなんておかしいじゃないですか」
「誰かに助言してもらった、とかじゃないの？」
その発言に思わず目を見開く。
坂本さんや西郷さんがオカ研に関与していることは、彼らからの頼みで隠さなければならない。
焦る胸中を察せられないよう、話を逸らす。
「…そんなことより、どうして私だって、分かったんですか」
「FBに噛まれて怪我したでしょ？項のところ」
「なん、で…」
FBさんの事件について。彼は大まかなことしか知らないはずだ。その解決方法を、FBさんがきっくんにすすんで話すとは思えない。なんで、知ってるんだこの人。
「俺らって血の匂いに敏感なんだ。血液型はもちろん、誰が誰の血族かもわかる。それで、君だってわかったんだ」
「…それで、私の事どうするつもりですか」
「今すぐどうにかしようとは思ってないよ。人も多いし、女の子を無理やり…なんて、さすがにね」
ああ、この人。顔がいいだけじゃなくて、恐らく頭もいい。
そりゃそうだ。じゃなきゃ複数人の女の子を手駒になんて出来ない。頭が良くなければどこかでもつれて、修羅場がいくつあってもおかしくない。
次の手を考えている合間にも、彼から思いもよらぬ提案をされた。
「だから、俺とゲームしようよ」
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なーや(プロフ) - reoru(テイル)さん» コメントありがとうございます！Kさん推しなんですね…！同士の方とこうして出会えて感激です〜！次回作もぜひお願いします(*^^*) (2021年10月19日 21時) (
レス) id: 8296248943 (このIDを非表示/違反報告)
なーや(プロフ) - 管理人さん» コメントありがとうございます！前作から見て下さってるんですね…！とても嬉しいです！次回作もよろしくお願いします(*^^*) (2021年10月19日 21時) (レス) id: 8296248943 (このIDを非表示/違反報告)
reoru(テイル)(プロフ) - 完結おめでとうございます！推しだったので、死にかけ(尊死)ながら読んでました。次回作も死なないように頑張りますので、体調に気をつけて頑張ってください！ (2021年10月19日 15時) (レス) @page33 id: 4d94c0fd69 (このIDを非表示/違反報告)
管理人(プロフ) - なーやさん完結おめでとうございます！Fさんのから見ていますが、今回のもすごく良かったです！次回作も楽しみにしてます！ (2021年10月19日 7時) (レス) @page33 id: af5b844ff4 (このIDを非表示/違反報告)
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