1.きっくんヴァンプ ページ2
.
人とは人を恨まずに、また恨まれずにはいられない。
自分の知らぬ間に誰かの反感を買うということは、心の狭く冷たい現代では少なくないのだ。
そしてほとんどの場合、その恨みは時間の経過ともう一つを除いては解消されることは無い。恨みとは積もり募ってその人の中に蓄積され、やがていつかあることを実行する。
「ようやく、見つけた」
"復讐するは我にあり"
はるか大国の日陰から、日の丸の国へとある男がやって来た。
【きっくんヴァンプ】
件のオオカミ事件を無事に解決したその翌日のことである。私はいつも通りたまり場、もとい特別棟四階の隅っこにぽつりと存在するオカルト研究部の部室に足を運んだ。
そして扉を開く前に、ノブにかけた手を思わず停止させる。
「な、なんだこれ」
扉のすりガラスに貼り付けられた紙。もちろんただの紙ではない。その紙にはホラーゲームでお馴染みの血塗りの文字が書かれている。
そこにはこう、一言。
「"復讐するは我にあり"ねぇ」
現在部室内の机の上に置かれたその張り紙を見て、坂本さんが呟く。
今日は珍しく部長副部長である坂本さんと西郷さんが部室にやってきていた。いつもの和装ではなく、今は学生服を着ている。見慣れない。彼は私が道中オオカミ事件の被害者であるFBさんから、依頼報酬として受け取ったピザを一切れ頬張りながら続ける。
「西洋の言葉も悪くないね」
「この言葉自体は聞いたことあるんですけど…元ネタって西洋のものなんですか？」
「はぁー？Aお前、仮にもオカ研だろ？キリストとか好きじゃないの？」
「別に好きというわけでは…一般人より知識齧ってる程度ですよ。というかキリストってことはこれ、聖書の一文ってことですか？」
正解！と次々とピザを平らげていく坂本さんの隣で、西郷さんがおもむろにその紙を手に取った。
「これ…本物の血ですね」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 32人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
なーや(プロフ) - reoru(テイル)さん» コメントありがとうございます！Kさん推しなんですね…！同士の方とこうして出会えて感激です〜！次回作もぜひお願いします(*^^*) (2021年10月19日 21時) (
レス) id: 8296248943 (このIDを非表示/違反報告)
なーや(プロフ) - 管理人さん» コメントありがとうございます！前作から見て下さってるんですね…！とても嬉しいです！次回作もよろしくお願いします(*^^*) (2021年10月19日 21時) (レス) id: 8296248943 (このIDを非表示/違反報告)
reoru(テイル)(プロフ) - 完結おめでとうございます！推しだったので、死にかけ(尊死)ながら読んでました。次回作も死なないように頑張りますので、体調に気をつけて頑張ってください！ (2021年10月19日 15時) (レス) @page33 id: 4d94c0fd69 (このIDを非表示/違反報告)
管理人(プロフ) - なーやさん完結おめでとうございます！Fさんのから見ていますが、今回のもすごく良かったです！次回作も楽しみにしてます！ (2021年10月19日 7時) (レス) @page33 id: af5b844ff4 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
