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匂いのした方を見れば、FBさんのお弁当からは熱そうに湯気がたち、見慣れた食べものがいた。
「お前、またカレーかよ!」
「しかもまた肉ばっか…よく飽きねぇな。カロリーのバケモンが」
「しゃーないでしょー!食べたいもんは食べたいんだ」
肉ばっかカレー…初めて見た。
また、ということは以前にも彼はこの肉ばっかカレーを昼食にしていたということだろうか。それは掃除機が如くその口に吸い込まれていった。一口がでかい。
すると、ガリ、と何か硬いもの同士がぶつかり合う音がした。その音はFBさんの口内からのものであり、それから絶えずガリガリ、ボリボリと何かを噛み砕く音が聞こえた。ほか三人はFBさんを冷めた視線で見つめていた。
しばらくして音が止み、えおえおさんが眉間に皺を寄せて言う。
「それ明らか軟骨っつーレベルじゃないだろ。口の中怪我しそう」
「ん、でも食えるよ?さすがに芯の硬いところは無理だけど」
まじまじとFBさん見つめてみる。だが、特段これと言って異様な所もなく、私は静かにお弁当を食べ進めた。
再び、私に声をかけたのは黄色の彼である。
「Aさ、オカ研ってことならなんかその類に詳しいの?」
「普通の人よりは詳しいと思いますよ」
「じゃあさ!漆黒の堕天使とか!真紅の稲妻とか!闇の暗黒騎士とか!そういうのしってる?」
「………はい?」
性格に難アリ。
なるほど、完全に理解した。
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