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某、山の山頂にある公園。
ネコ型ロボットの出てくるアニメの空き地に似た土管の配置。その上に鎮座する二人の人物。
赤と緑。
月明かりに照らされた彼らの服はそれぞれその二色。しかも和装。何でだ。彼らは用があって訪れてみれば昼間でも夕方でも夜でも変わらずそこに居た。
「お、Aじゃん。やっほ〜」
「こんばんは、Aさん」
そう、この二人こそが残るオカルト研究部部員であり、部長副部長の、坂本さんと西郷さんである。
私は挨拶より先に、ここに来る道中にまとめた今回の件のメモを部活のグループチャットに送信する。
彼らは同時にスマホを取り出して、私のメッセージに目を通しているようだった。ふーん、と先に何やら楽しそうな声を上げたのは坂本さんの方である。
「FBくんか。ぼっちキャラ第一号。美術部所属のカミカミ男子。勉強運動ともに振るわず」
「確か副会長と仲良いんですよね。あと同じクラスのえおえおさんとA組のあろまさんとか。その他の人と交流してるのは見たことないなぁ」
「お二人、FBさんと知り合いなんですか？」
「「いや、全く」」
話したことも無い。と彼らは口を揃えて言った。毎度の事ながら、その情報量の多さには驚かされるばかりである。一体どこから収集しているのか。
それにぼっちキャラ第一号なんて…三人でも一緒にいる人がいるならいいじゃないか。思わず自分の境遇と対比して悲しくなる。
「なるほど、今回はオオカミか。数百匹のニホンオオカミに遭遇…これはなかなかな怪奇現象！」
「これ一匹でも捕まえたら特大ニュースですよ」
「西郷さん！これ捕まえるしかないんじゃね！？ゴリラならオオカミに勝てるかもよ！」
「何言ってんすかもうw」
「一人だけ会話文に草生えてるのほんと草ですね。とにかく、本人は助けを求めてます。私もお二人に助けを求めてます。何か助言を下さい」
土管に座る彼らを見上げそう頭を下げれば、赤い彼がゴホン、とわざとらしく咳払いをして人差し指で一を作った。
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