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絶滅した超ウルトラスーパー貴重生物、ニホンオオカミ。
これらは二十世紀初頭に絶滅したと言われており、まず実物が現在に現れることなんてもちろんありえない。しかも彼の話からするにそれらが数百匹、住宅街に。
「これは…怪奇現象だ…」
「こんなの警察に相談しても足蹴にされるだけです。頼れるのはオカ研だけなんだ…」
助けて。彼は再びそう口にした。
どうやら事件のようだ。私は久々に机の中の箱からプリントを一枚取り出し、ボールペンと朱肉と共に彼に差し出した。
「ではこちらの書類に目を通して下さい」
第一に。本件を依頼人、請負人共に中途で投げ出すことを禁ず。
第二に。本件が解決した際には、請負人が提示した報酬を支払うことを約束せよ。
第三に。第一の例外として、戦略的撤退は含まれない。危険を察知した場合、速やかに撤退し、策を練り直せよ。
第四に。依頼の取り消しが許されるのは極稀な事態のみです。基本それは禁止である。
「第五に、本件を新聞部に口外することを禁ず。彼らは少しばかり厄介です…えーっと…これってアプリの利用規約的な感じで同意でも大丈夫ですか？」
「まぁ、重要なのは報酬だけなので、大丈夫ですよ」
「報酬って？」
「今回の件の報酬、それは…」
彼はプリントに自身の名前と拇印を押した。
私はその上から『契約済』のハンコを押す。
「親指の指紋まで取る必要あるんですか？」
「雰囲気ですよ、雰囲気。こういうのは楽しんだもん勝ちです。
本格的な捜査は明日からになるので、今日はひとまずお帰りください」
「えっ、俺またオオカミに出会ったらどうすれば…！？」
「とにかく走って逃げるのと転ぶのだけは避けて下さい。昨日も接触した訳では無いでしょう？荷物を使って体を大きく見せて、もしもの時は大声を上げて威嚇して、慌てずに帰宅してください。襲われるってことは多分ないと思います」
「そんなぁ…」
「私はこの後用事があるので、今日はなんとかそれでやり過ごしてください」
とりあえずと、彼と連絡先を交換してその日は学校を出て、とある場所へ向かった。
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