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放課後、私はFBさんのクラスである3年B組にやって来ていた。学校で騒ぎがない様子を見ると、彼はやはり昼間は普通の生活を遅れているのだろう。
「FBなら帰ったよ」
昼休みは野暮用でFBさんに話しかける暇もなく、放課後になってやっと様子を見に来たのだが、私に気がついたえおえおさんが教室の入口までやってきて何も聞く前からそう教えてくれた。
「早退…ですか？」
「うん、体調悪いからって。そういえば、君宛に伝言預かってるんだけど…」
「伝言？」
「なんか、依頼の件の事は忘れてくれ、今日まで協力してくれてありがとうって」
なんだそれ…そんな言い方、もはや伝言じゃなくて遺言じゃないか。不穏な空気を察したのか、えおえおさんがスマホにFBさんからの連絡はなかったのかと聞いてきた。校内ではスマホの使用が禁止されているが、放課後の教室ではスマホを使っている人が見られる。今いる3年生の教室ともなると特にだ。
それに、この状況で校則など気にしていられない。私はもしもの時のために常に通知を切ってはいるがスマホを持ち歩いているため、すぐその場で確認した。
が、開いた画面に映された通知はFBさんからのものではなく、坂本さんと西郷さんからのものだった。西郷さんからはメッセージ、坂本さんからは不在着信が来ている。
私はまず、西郷さんからのメッセージを開いた。
[FBさんの様子がおかしいです]
[おそらく今夜あたりオオカミが姿を見せると思います]
[学校が終わり次第、FBさんの自宅まで来てください]
そんな簡潔なメッセージが昼の12時に。坂本さんからの着信は午後の授業が終わってすぐだった。
なぜ二人がFBさんの今の様子を知っているのかとか、そんな疑問は気にしてはいられなかった。
「FB…大丈夫なの？俺は怪奇現象とか、オカルトとかあんまり信じてないんだけど…」
えおえおさんが心配そうな声色でそう言った。はっと顔を上げて、彼に礼を言う。
「すみません、えおえおさん。急用ができたので失礼します。伝言、しっかり受け取りました。ありがとうございます」
彼は、FBさんは大丈夫です。
そう答えることは出来なかった。
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