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「FBさんにとあるものが取り憑いているんです。憑き物というんですけど、それのせいで今少し危険な状態なんです」
「危険って…別にアイツいつも通りじゃん」
そう。それが不幸中の幸いだった。昨日見えた影が昼間まで出しゃばってくるような事態だったとしたら、間違いなく大事になっいる。たかがオカルト知識を齧ってるだけの女子高生の手に終える一件ではなかっただろう。
「そうなんですけど、今日は訳が違うんです。もしFBさんになにか異変があれば教えてくれませんか？一応放課後に会おうとは思ってるんですけど」
「それなら任せとけ！あ、なら連絡先交換しといた方が楽じゃない？せっかくだしさ」
「え゛っ…そう、ですね。じゃあ…」
唐突すぎる展開に戸惑いの声が出るも、もう交換する気満々の彼を見ておずおずとスマホを出した。
「ぱぱっとやってあげるから、スマホ貸して」
「は、はい、お願いします」
そう言われてスマホを差し出すと、彼は慣れた手つきで画面をタップしている。友達登録人数多そうだなこの人。そう思っていると彼が私の画面を見て声を上げた。
「A友達少なくね！？」
「察してください。先輩は多そうですね」
「まぁね、俺去年転校してきたから前の街の友達もいるし」
「そうなんですね。知りませんでした」
「えー！転校当日めちゃくちゃ騒がれたのに！知らなかったの？」
思い返せばそんな話があったような無かったような。あまり他人に関心がないので記憶にとめてない。というか、去年転校してきていきなり副会長に選ばれたのか。人脈の広さと人気者加減が伺える。
彼からスマホを受け取った。よろしく！とこの距離にいるのにさっそくスタンプが送られてきて、迷いながらも私も同じようなスタンプを返した。
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