【d!】乙女ゲームにトリップとかそれなんて夢小説？【all】 (ページ10)

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2.ご都合主義と難題ページ10

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私の情報量の多さから話を信じてもらえ、無事に牢屋から出ることが出来た。
私はオスマンとエーミールに連れられて、遂に城の中に。ゲーム通りの内装は、とても煌びやかでそこかしこに目移りしてしまう。

「城の中もゲームと同じなんですか？」

「はい…！完全に同じです！」

「にわかには信じがたいですが…別の世界に来てしまうなんてとんだ災難ですね」

私の右側を歩くエーミールが、苦笑いでそう気遣ってくれた。やっぱり優しいなぁ…。そのやり取りを聞いていたオスマンも、会話に混ざる。

「君の世界はどんな所なん？」

「えっと…少し地味な所ですね。特に私の国はこんなキラキラした場所じゃありません」

「戦争はしてるんか？」

「昔は大きな戦争に参加してましたけど、今は戦時中ではありません。あ、私の国、ひとらんさんの出身国に似てますよ」

「ひとらんの…東洋系って事か。食事の時に箸を使うとか？」

「そうです。主食はお米ですね」

エレベーターについて、私たちは最上階までやって来た。2人も含め、攻略キャラは全員我々国の幹部だ。幹部ってほら、偉い人だから建物の上の方にいそうだよね。その解釈は合っていたらしい。

それから客間にやって来た私たち。オスマンさんが少し待っててと、部屋を出ていった。
もしかして、これ、ゲーム通りなら、次にくるキャラって………

その展開を待ち望み、20分後。

ノックをしてやって来た人物に、私は叫びそうになった。

「オスマン、この人か？」

「せやで。異世界からの本物の観光客」

きっちり分けられた前髪。赤い瞳にメガネ。背格好は男性らしく大きくて、オスマンとならぶランキング上位の人気キャラクター…

「と、ととととと…っ、と、！」

「…バグってへん？大丈夫ですか…？」

「と、とん、トントンさっ…」

「マジで名前知られてるやん怖っ」

我々国書記長兼総統補佐、トントン。彼も3強の一人だ。
やばい、私本当に乙女ゲームの世界に来てるんだ。もちろん、ロボロの声もエーミールもオスマンも感動したけれど、トントンの迫力半端ないな…！
トントンのハピエンも超良かったな、こんな堅物そうな見た目なのにキャラの中でもトップのDTで照れ屋とか…でもプレゼント回収はつらかった…と、私がプレイ記憶に浸っていると、トントンが口を開いた。