【d!】乙女ゲームにトリップとかそれなんて夢小説？【all】 (ページ9)

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少し待っていると、今度は5分程度でオスマンを連れて2人が戻ってくる。
そして、今度はオスマンから水を受け取り、意を決してその水を飲み干した。味は普通の水とかわりない。無味無臭。本当に薬が入れてあるのだと思うと恐ろしい。

「っはあ…飲み終わりました」

「じゃあ、改めて質問な？君は、なんであの森に居たん？」

「森にいた記憶は私にはありません。目が覚めたらこの部屋にいました」

「君はどの国からの観光客なん？」

「私はここの世界の者ではありません。おそらく、別の世界からこのゲームの世界にトリップしてしまったのだと思います」

さっきも嘘をついていた訳では無いが、マジか。本当に自分の意思と関係なく口が勝手に動いてる。こんな薬あったら裁判なんて必要ないじゃん。

「…お前の名前は？」

「AAです」

「なんでエミさんやロボロの名前知ってたん？」

「2人は私のプレイしてたゲームのキャラクターだからです」

「俺のことも知ってるんか？」

「知ってます。オスマンさんですよね。我々国の外交官、我々国に来る前は聖職についていて、敗戦国となってしまった自国から現総統に救われたと聞いています。好物は甘い物。ことある事にお茶会を開いて総統様と世間話に花を咲かせていて…その理由が、本当は自分を助けてくれた彼に感謝してるけど素直に言葉にできないから、遠回しのお礼だとか。敵に情けはなくも、恥ずかしがり屋な一面もあるかわいい人だとキャラの中でも上位の人気を、」

「だぁーーー！もういい黙れ！！」

いつの間にか熱弁してしまった私に、オスマンは大声でストップをかけた。

「そうだったんですか、オスマンさん」

「うぅ…うるさいめう…」

エーミールに追い打ちをかけられたオスマンは赤面して両手で顔を抑えた。