【d!】乙女ゲームにトリップとかそれなんて夢小説？【all】 (ページ3)

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1.スポーン地点は牢獄ページ3

？？視点

顔に着いた返り血を拭う。
国内に侵入していた敵国からの観光客の始末を終えた俺は、城の敷地内の森を歩いていた。時間は恐らく0時くらいだろうか。日の出までの任務クリアだったので、予定より早く終わりにできた。
早く帰ってシャワーを浴びたい、任務中は気にならないが我に返ると途端に血の匂いに嫌悪感が湧いてくる。

「…なんやあれ」

帰宅のため足を早めたところで、あるものが目に付いた。今歩いていた帰路の先に、何か横たわっている。人か？

足音をしずめて近づいてみると、やはり人のようだ。見慣れない格好をしている。女だ。

「オイ、返事しろや」

声をかけてみるも反応はない。気を失っているらしく、靴の先で肩を数回軽く蹴るが、それでもうぅ、とうめき声をあげるだけだ。
素性の知れない人間が敷地内に。周囲にも人の気配はないので、囮という訳でもないようだ。女相手ならどうとでもなるので、持ち物を探ることにした。

バックは周りに落ちてもいないので、まずはポケットを探ると1枚のメモが出てきた。

「…なんも書いてへんなこれ」

白紙のメモ。炙り出しや水出し印刷で文字が浮かぶ可能性もあるが、とりあえず今は後にしてメモを自分のポケットにしまう。
それから靴の中や上着の裏側も調べるが何も無し。服の中は気が引けるので、無心で軽く布の上から手で探る。だがやはり、これといって持ち物はなかった。

「…持ち帰るか」

持っていた縄できつめに拘束する。見た感じ鍛えられてはいなそうだが、念の為だ。
それから俵担ぎにそいつを持ち上げて、俺はやっと城に帰宅した。