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自己紹介という名の特大ネタバレをくらい、ダメージを癒すためにも私は医務室に向かった。
「失礼しまーす…」
中に入り遠慮がちに声をかけるも返事はなく。どうやらしんぺい神は留守のようだ。
どうしたものかと少し考えて、また少ししたら出直そうと振り返ると、
「ひっ…！？え！？ぞ、ゾムさん…！？」
私のすぐ真後ろにゾムが立っていた。びっくりしすぎて気持ち的には心臓が大気圏超えて銀河まで飛んで行ったよ。寿命確実に縮んだわ。まじで気配しなかったけど、恐らくずっと着いてきていたのだろう。
私が名前を呼んでも彼は何も言わず、扉を閉めて再びこちらに振り返った。フードに長い前髪のせいで顔がうかがえない。
「あ、あの…？」
「…これ」
「え？」
彼がポケットから取り出したのは小さな折りたたまれたメモ。シワがよっていて少し焦げ目もついている。何だこれ。そう思いながらそのメモをまじまじと見ていると、だんだんと文字が浮かんできて思わず目を見開く。
私の反応に気がついていないらしい彼はそのメモについて話した。
「お前のこと見つけた時に預かっててん。なんも書いてへんかったから水出ししたり炙ったりしたんやけど特に変化なかったし…もう誤解も解けたんなら返すわ」
「あ、ああ、そうだったんですね…ありがとうございます」
これはもしや私の初期装備なのでは…！？何も持たずに飛ばされたと思っていたが、これは確実に大事なものだ。彼には文字が見えていないらしいので、怪しまれる前に私もポケットにメモをしまった。
お礼を言って頭を下げると、彼はまだなにかあるのか、うつむき落ち着かない様子で自分の手を触ったりフードを触ったりしていた。
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