【d!】乙女ゲームにトリップとかそれなんて夢小説？【all】 (ページ15)

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3.ネタバレは地雷ですページ15

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やって来たのはくすんだ色の金髪のオッドアイ。全身に鈍色を纏った彼はカツカツと軍靴を鳴らしながら、長い机の一番先の空席の前で足を止めた。

鋭い目が、私を見据える。
形の綺麗な口が弧を描いて、声を出した。

「君が噂の異世界人か。俺はグルッペン･フューラー、ここのトップだ。よろしくな」

聞き覚えのあるバリトンボイス。グルッペン。

私は彼を知らないけど、もし可能性があるとしたら…まさか…

ゲームのシークレットキャラクター＿＿＿＿。

この声。私がここに来てしまう原因になったリスタートの時の声だ。三強としてトントンとオスマンともう一人がいることだけは知っていたし、何となくそのもう一人がシークレットなのかなとは思っていたけれど…

「ん？どうかしたのか？」

何も答えない私を見てその人は機嫌を曲げるわけでもなく首を傾げた。急いで返事をする。

「あっ、い、いいえ…よろしく、お願いします」

「まぁ色々不便はあるだろうが…異世界人なんて不確かな存在、その辺に捨てるわけにはいかないからな。小さな事には目を瞑ってくれ」

淡々とした口調ではあるがどうやら私を迎えてくれるらしい彼の言葉を聞きながら、心の内で私は地獄の縁に立たされたような気持ちになっていた。

だって、こんなのって………

特大のネタバレじゃないか！！！

私の楽しみを返せこの野郎。いや、もともとシークレットキャラのためにゲームをリスタートしてここにやって来たわけだし、ネタバレでもないのかもしれないが…本心を言えば正規ルートで彼のことを知りたかった。
しかもこんなサラッと出していいキャラじゃないでしょこの人。もう少し一悶着あってからでもよかったじゃん。