【d!】乙女ゲームにトリップとかそれなんて夢小説？【all】 (ページ13)

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昨日はなんやかんや忙しくて部屋を案内してもらいそのまま備え付けのお風呂に入り寝てしまった。ちなみに着替えは後日買いに行かなくてはならないため、今日は医務室にある仮のTシャツや短パンを借りた。

翌日目覚めていの一番に思ったのは「ああ、夢じゃなかった」だった。
この世界のことをまだ把握しきれていない。ゲームとの相違が見られるため、ここを現実世界として捉える必要がある。

「そもそもだけどこれ…戻れるのか…？」

起きて数分考えて一番の問題はそれだった。元の世界に戻る方法が分からない。トリップもの夢小説ってどんなオチだっけ…元の世界に帰れたり帰るのをやめたり色々あるけど、まずは手掛かりをみつけなければならない。
そうと決まれば、まずは医務室でペ神に色々教えを乞う事にしよう。お助けキャラだしもしかしたらここをゲームの世界だと認識している…可能性はないな。昨日話した感じそんな雰囲気は一切なかったし。諦めよう。

時刻は7時半。少し髪を整えて、部屋の扉に手をかけようとした時、先にノックの音が聞こえた。

「Aさん、起きてます？」

扉の先から聞こえたのはトントンの声だ。はーい、と返事をしながら扉を開けた。

「おはようございます」

「おはようございます、起きとったか。さっそく悪いんやけど着いてきてもらえます？」

「いいですけど、どうかしたんですか？」

「今日はたまたま全員揃っとるから、Aさんの紹介しておこうと思って。すぐ出なきゃいけない奴も居るから、来てくれますか？」

「は、はい、分かりました」

緊急クエスト。攻略キャラ全員とご対面。
やばい、生きて帰れるかな…。これ供給過多で死ぬんじゃないか？まだクリアしてないからキャラブックも買ってないのにいきなり全員と、しかもリアルに会えるなんて…。

「すぐ済みますから、着いてきてください」

「分かりました」

クエスト生還を目指して、私は部屋を出た。