【d!】乙女ゲームにトリップとかそれなんて夢小説？【all】 (ページ2)

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リスタートページ2

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「つ、ついに………ついにこの時が…」

もうじき日が昇り始める午前4時。
パソコン画面に食いついてやっとの思いで拝むことができたその画像を、涙を流しながら目に焼き付けた。

「シークレットキャラ以外の攻略終わっっっ…たぁ～～～～～～！！！」

私、AAは今年20歳を迎えた大学生。
大学の春休み、私はとあるソフトを購入し、それのクリアのために寝る間も惜しんでパソコンに取り付いていた。

そう、乙女ゲームだ。

乙女ゲーム、ご存知ない方もいるかもしれないが、簡単に説明すると"男性をオトすゲーム"だ。ジャンルとしては恋愛シュミレーションゲームと呼ばれている。

私がプレイしていたのは「宣戦布告！」というタイトルの軍パロ物の乙女ゲームだ。昨年発売され話題となったゲームで、一番の特徴は攻略キャラの人数だ。その数なんと12人。友人がこのゲームのガチ勢で、彼女の押しにより仕方なく始めたのだが…これがめちゃくちゃ面白かった。

｢まじでボリューム満載だなこの乙ゲー…その分回収要素バカみたいに多いけど｣

クリア条件は、各キャラからプレゼントを貰うことで、今私がクリアし終えたのは11人目のキャラクター。これで、一番楽しみにしていたシークレットキャラの攻略に進める。

シークレットキャラはゲームのパッケージにもオープニング映像にも姿は登場しないキャラで、11人全てのプレゼントとエンド、スチルを回収しないと解放されないルートだ。

「桃曰く、シークレットキャラのエンドが一番すごかったって言ってたけど…やべぇクソ楽しみだ…あ～～～寝れねぇ～！！」

もう見なれたエンディングをスキップして、スタート画面に戻ってきた。ゲーム開始から3本目になるエナドリを飲み干して、カーソルをスタートに合わせる。

「よしっ………リスタート！！」

掛け声と共にエンターキーを押す。

ブチ、と画面が消える。

「……………え？」

そして画面が揺れて、ザザッという砂嵐の音がし始めた。待って待って、このゲームホラー要素あんの？聞いてないよ待ってくれ

すると、次に聞こえてきたのは聞いたことの無いキャラクターの声。
聞き慣れないバリトンボイス。

『よくここまで来たな、A』

『最後に俺が君に与えるのは、これだ＿＿＿＿』

そのセリフの後、画面から光が放たれて私は意識を手放した。