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その恋心とやらを自覚しても、特に彼女との関係や距離が変わるわけではなかった。
別に今すぐにでもどうこうしたかった訳じゃない。誰かほかの奴に彼女を取られるのは癪だが、そうでなければ話は別だ。見ているだけで充分だった。よく大先生とは話をしているのを見るから、彼は決まってお前も話しかけたらいいのに、と言う。
話したくない訳じゃない。でも、彼女と距離を縮めることに俺は抵抗があった。
自分で分かっているのだ。
俺は、恋愛事をするべきでは無いと。
「それ………」
ふと彼女の手にしている紙を指差す。後ろから透けて見える文字を見れば、恐らく病院からのものであることが察せられた。
その時。
「あっ…！」
不意に強く吹いた風に紙が攫われて、彼女の手からその紙がすり抜けた。
慌てる彼女を置いて、その紙は風に乗り宙を舞う。俺の横を通り過ぎた紙を見て瞬時に振り返り、その紙を左腕で掴んだ。もう怪我の痛みはないようだ。
「っと…あぶなっ」
「ご、ごめんね！ありがとう…」
「ああ、別に…………＿＿＿え？」
別に悪気があったわけじゃない。
人のものを勝手に盗み見るなんてしたくなかった。しかし、俺の視線は無意識にその手に掴んだ紙面に向けられていて、そこに書かれた文字を読んでしまった。
そして息が詰まった。
堅苦しい行書体で書かれた"診断書"の文字。彼女の名前。今日の日付。
それと、
「っ……お前…」
「あー…えっと……それは…」
苦笑いを浮かべる彼女。
何も笑えない。笑えるはず無かった。紙を持つ手は小さく震えて、酸素が足りなかった。
余命宣告書には、一年と書かれている。
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なーや(プロフ) - こちらでもコメントありがとうございます！めちゃくちゃ嬉しいです(泣)まだ夏の話ですけど終わりまで見て下さい笑m(_ _)m (2021年4月10日 22時) (
レス) id: 8296248943 (このIDを非表示/違反報告)
相馬(プロフ) - 更新されると､まだ終わらないっておっしゃってましたけど、あ…また日付が進んでいく…と思ってしんどくなります笑毎日更新されるのが楽しみです！！ (2021年4月10日 20時) (レス) id: 7501b9a05e (このIDを非表示/違反報告)
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