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「…A、ちょっと来い」
「えっ、あ、でもゴミ捨てないと…」
「アイツらに任せとけや」
地面にゴミを置いたまま、俺はAの手を引いて歩き出す。後ろからアイツらが茶化すように声を上げたが、何も聞こえないふりをして無視をした。
数分ほど何も話さずに歩いた。
まだ話す内容は整理出来ていなくて、無言で歩き続ける。でも歩いたからと言って結論が出るわけじゃない。結論は自分で出さなくてはならない。
こんなチャンスは二度とない。
画面上の文字で伝えるより、口で、言葉で伝えるからこそ意味がある。
波打ち際の隅まで来て、やっとAの手を離す。そして振り返ると、彼女は困惑の表情で俺の名前を呼んだ。
今だ、言え。
「………悪かった」
情けないくらい小さな声が出た。それでも視線は彼女を見つめて、逸らさないようにする。
すると、彼女は小さく微笑んで首を振った。
「…ううん、私こそ…ごめんね」
あのね、と彼女は思いの内を明かしてくれた。
｢ずっと…シッマと話したかった、笑った顔が見たかった。やけになってあんなこと言っちゃって、話せなくなって、すごく寂しかった。ごめんね、私から、シッマのこと避けてたのに…｣
苦しそうな顔をして、彼女は謝る。
久しぶりに近くで聞いたAの声は、聞いていられないくらい痛々しいもので、そこで俺はやっと理解する。
よくよく考えれば簡単な話だった。
彼女は来年には死んでしまう。そんな人が、人と深い関わり持つことを避けようとするのは道理だった。自分も相手も、そんな未来が分かりながら関わっていくなんて、ただ将来出来るであろう傷を増やすだけだ。
それでも俺は、もう決めたから。
俺は彼女の両手を取って、口を開いた。
「俺も同じやった。＿＿＿…なぁ、A。ずっと、言いたかったことがあんねん」
彼女がゆっくりと顔を上げて、なに、と俺の返答を待った。
心臓がうるさい。それなのに、どこか気持ちは落ち着いていて、波の流れる音を聞くくらいには余裕があった。
意を決して伝える。
ずっと、言いたかったことを。
「俺、Aのこと、好きなんや」
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なーや(プロフ) - こちらでもコメントありがとうございます！めちゃくちゃ嬉しいです(泣)まだ夏の話ですけど終わりまで見て下さい笑m(_ _)m (2021年4月10日 22時) (
レス) id: 8296248943 (このIDを非表示/違反報告)
相馬(プロフ) - 更新されると､まだ終わらないっておっしゃってましたけど、あ…また日付が進んでいく…と思ってしんどくなります笑毎日更新されるのが楽しみです！！ (2021年4月10日 20時) (レス) id: 7501b9a05e (このIDを非表示/違反報告)
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