その3 ページ8
一の二
○.
グルさんと二人で食堂まで来た。
二人で。ここ重要。
既にみんな集まっていて、それぞれ好きな席で昼食を食べていた。
私もそれに並ぶべく、昼食を取りに受け取り口まで向かう。
「あれ？今日はトントンが当番だったんだね。」
「せや。残さず食べるんやで。」
「今日は焼き魚か。トン氏は魚料理が多いな。」
「豚のしょうが焼き食べたい。今度作ってよ！」
「……まぁええわ。リクエストは今度な。」
あ、とうとうツッコむのも面倒くさくなったなこの書記長め。
でもトントンはサラッと言ったことをよく覚えているので、今度の昼食にはきっと豚のしょうが焼きが出るだろう。やったね！
それより、後で書類トントンに提出しなきゃなぁ……粛清はご勘弁。
「どこ座ります、グルさん？」
「いつもの所でいいだろう。今日も空いてるしな。」
いつもの場所、というのは広めのテーブルが置かれた窓際の席。そこからは城の中庭が一望出来る。
今日も空いてる。と、グルさんは言っていたが、ここにグルさんが座るのを皆知ってるからわざと空けているのだ。
それを知らないグルさんは、少し嬉しそうに席に座った。その事を私は知らぬふりをして、グルさんの向かい側の席に座る。
二人で手を合わせて、昼食に箸をつけた。
「今日は天気もいいし戦争日和だな。」
「それ雨の日も言ってましたよ？雨音に銃声が混じってさぞ気持ちがいいだろうな、って。」
「そうだったか？Aは相変わらず記憶力がいいな。」
「そうですかね〜？ありがとうございます。」
そりゃグルさんのお言葉ですから。忘れるなんて勿体無いことしないよ！
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