【実ｼ兄者】長編にならなかった話達【短編集】 (ページ15)

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偏愛病み系zmと弱気夢主ページ15

プロローグ

怖いです、ゾムさん。

設定

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先輩
グルッペン
トントン
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ゾム
エーミール

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チーノ

1

守護神、というのをご存知でしょうか。

特定の人や場所を影から守る非現実的な存在。

数ある神の中で、勝利の女神と豪語されるニケに保守されている少女がいた。

様々な戦争において、その実績は百戦錬磨の腕前で負け無しと恐れられている"我々"という組織がある。
紛れもなく、少女はその組織に属していた。

しかし、その少女、そんな組織に属していながらも戦闘力はさほど高い訳でもない。

「ハッ…、見つけたぞ、勝利の女神…！！」

場面は激戦の最前線である。
数人の敵軍に囲まれた少女は耳のインカムに手を添え、ヒソヒソと味方に状況を伝えた。

「こちらA。発見しました…あの顔、間違いなく第一特攻部隊です。場所はA区西側…、」

「おいおい、囲まれておきながら仲間に連絡か？呑気なやつだな。」

拳銃が真っ直ぐと頭に向けられ、間髪入れずにその引き金は引かれた。

弾丸は真っ直ぐと少女の脳天へと進み、その頭を貫く。

はずであった。

「んなっ…！」

弾丸は少女の前髪をかすり、その後真横へと進行方向を変えた。

前文にある通り、少女は勝利の女神ニケに守護されている。そのため、彼女に起こった生命危機は守護神により回避されるのだ。

それに付け足し。

彼女は踵を返し、驚き停止していた敵の隙間から素早く逃げ出す。

「クソッ！まちやがれ！！」

先程と同じように弾丸が放たれる。その弾丸を彼女は軽い身のこなしで避け、地面に手を付き受身を取り、再び走り出す。

100％ニケが守ってくれる訳では無い。その割合は五分五分。そのため、もちろん自分でも身を守らなくてはならない。
そして、そんな彼女の回避力、逃走力、は攻撃力とは真逆に最高レベルであった。

そう。この少女の組織での役目は、前線に乗り込み、敵の主軸となりうる部分を探索し、見つけ、味方へ報告することである。こんな危険な行動ができるのは、ひとえに彼女のみであった。

その後、早々に味方がA区西側に到着し、この戦いも我々軍の勝利に終わった。