【d!】月の魔女と愛念の呪い【gr】 (ページ8)

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◇..

測定器は魔力を測りたい対象に機器をかざすと、その対象の魔力を最高500まで測定してくれる。
尚、一般的な科学魔道士の魔力はおよそ50、特進クラスの科学魔道士は70から80。そして魔女は少なくとも100を超える。そのほか魔法術がかけられた場所や物にも使用可であった。

今の彼女なら測定器が魔女のそれを超えることは無いだろう。可能性は100%では無いため、これは一種の賭けでもあった。もしかしたら体内の奥深くに魔力を蓄積しているということも有り得るのだ。

未だ目を覚まさない彼女に測定器がかざされる。先程まで騒がしかった誰もが口を結んで測定器を見つめた。

ピッ＿＿＿＿

測定完了の音がする。
測定値を確認した長がゆっくりと口を開いた。

「……測定値、26…」

「…では、俺はここで失礼させてもらう。」

その数値を確認し、心の中で安堵した俺は一度チーム全体に頭を下げ少々駆け足でその場を後にした。

。。。

医学院とは、俺の通う学院の中にある主に医療関係の事柄をとり扱う建物の総称である。
国立である我々学院では、化学科や医学科、その他情報化や美術科や農業科などあらゆる分野の学科を取り扱っており、俺は化学科の中の科学魔法術科に所属していた。

数ある学科の中でも、特に化学科と医学科は別に建物がある。その医学院に通う知り合いの元へ俺は向かっていた。

彼はとても知識が豊富であり、そして真面目である。医学科の研究発表が半年前に行われたのだが、その時の彼の見事な研究内容から彼はその後学院の生徒らから"教授"というあだ名で呼ばれていた。

そんな彼は夜が更けても学院内の図書館にいることが多い。彼にとって知識を得るということは三度の飯よりも重要なことなのであろう。
今夜も彼がまだ学院にいることを願って、俺は雨の中を進んだ。