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◇..
その後すぐの事である。道行く人の中に見知った顔がいたのを見かけた。
コネシマだ。その隣にいる人物には見覚えがなかったが、俺は声をかける。
「よう、コネシマ。」
「ん？おお、グルッペンか！あ…」
「…こんにちは。コネシマさん。」
Aを見たコネシマが言葉を詰まらせる。こいつもAに魅せられているのか…コネシマなんぞに取られるとは思ってないが、やはり気分はいいのか悪いのか微妙なところである。
コネシマの隣にいる人物、俺よりも年下だろうがその様子はコネシマとは正反対に大人しそうな雰囲気であった。
「そちらは？」
「ああ、こいつか。俺の…まぁ後輩みたいなもんやな。」
「こんにちは、俺はショッピ言います。」
「こいつらは俺と同じ学院に通うグルッペン…と、その婚約者の、Aさん、や。」
「グルッペンさんと、A、さん。」
ショッピと名乗った人物も、俺よりAを凝視していた。だが、見られている当の本人は気にする様子もなく、笑顔で頭を下げる。彼女のこういうところ、いい所でもあるが少々心配になってしまう。
「残念だが、長話している時間はないんだ。こっちから声をかけておいて悪いが、失礼するぞ。」
「え、グルッペン？」
「おう、じゃあな。」
彼らに背を向けて、俺はAの手を取ってその場を去る。不思議そうに俺の顔を覗いていたAだったが、しばらくしてからはどこか満足そうに俺の手を握り返した。
。。。
「…ショッピ。今のが月の魔女や。」
「向こうから話しかけてくれるなんて、好都合でしたね。データ、身長や顔のパーツの位置、声までしっかり取れました。」
「よし。ならもうここに用はないな。ゾムのところ行って報告や。」
「はい。」
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