本 能１２【銀魂】

第３１９話 ページ22

廊下に残されたあたしと散花


さすがのあたしも


もう憐を追う気にはならなかった


・・・疲れた。


憐)お前には、俺なんかより大切なもんがたくさんあるだろ。
護るもんが、いっぱいあるだろ。
大切な"兄妹"も・・・な。


強調された「兄妹」という単語


なんともないその言葉は、


今のあたしにとっては


とても深い意味のあるものだった


散)あのさ、姉ちゃん・・・。


なんだか気まずそうに話しかけてきたのは


あたしの弟


でも


さっきの話が本当なら


散花とも


本当の姉弟じゃなかったことになるんだよ・・・ね？


散)ごめん・・・。
父ちゃんと約束したのに・・・。
絶対にこのことは、姉ちゃんには話さない・・・って。


そう言う散花の目は、


涙目だった


A)散花・・・


神)・・・Aっ！


A)・・・っ！？


そんな時


彼は突然やってきた


息を切らして


肩を上下に揺らして。


A)神威っ！？
大丈夫！？まだ体調が・・・っ！
それに、その髪の毛・・・っ！！

神)大丈夫だよ、A^^
見ての通り、俺はもうピンピンしてるからネ。
髪の毛はちょっとイメチェンしてみたんだ^^


A)なら・・・いいけど。


神)てか、Aのほうこそ大丈夫？
顔色悪いけど。


A)・・・えっ！？


なんともないような顔をして話そうと思ったけど、


やっぱり難しい


演技力のないあたしには難しすぎた


A)だ、大丈夫・・・っ！
このとおり、ピンピンしてるかr


あたしがそう言いかけた時だった


神威が


あたしの腕を掴んで


急に走り出したのは。


散)ね、姉ちゃん・・・っ！？


散花が心配そうに言う声が聞こえた


・


着いたのは、


あたしと神威の部屋だった


てっきり


治療室に連れ込まれると思ったけど・・・


そうではなかったようで。


神)・・・ねぇ、A。


A)・・・っ！


突然視界が回転したかと思ったら、


あたしの目の前には


神威の顔があった


ソファに押し倒されたあたしの上に、


神威が四つん這いでまたがっている


腕を掴まれていて


身動きが取れない


神)俺は、Aが大好きだから。
初めて会ったあの日も・・・
プロポーズしたあの日も・・・
結婚式を挙げたあの日だって・・・今と同じ気持ちで、変わらないから。


A)神威・・・。


神)だから教えて。
Aは今も・・・俺のこと好き・・・？


あたしの腕を掴む神威の腕に


力が入ったのが分かった

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