生きてる ページ9
Aside
「Aや、だいじょうぶかい？」
『少し、落ち着きました』
あの森から移動し、街の広場の公園のベンチに私は座っていた
公園の真ん中には大きな噴水があり、その周りで子供や大人が遊んでいる
師匠が持ってきた缶コーヒーを受け取り、すぐに口につけず手の中に収める
同じ種類のコーヒーを一口飲んでから、師匠は声を発した
「しかし、今までよくあのような者と一緒に居れたな」
『いつもは優しいんです、あんなペンギン、今まで見たことなかった・・・』
私がペンギンの立場で“無関係”と言われたら、私もペンギンと同じ行動をしていたかもしれない
そりゃそうだ、大切に想っている人から“無関係”なんて言われたら誰だって取り乱すだろう
だからペンギンは悪くない、悪いのは“無関係”なんて口走った私だ
なのに
「寒いのか？A」
『いえ、寒いわけでは・・・』
なのに、身体の震えは収まらない
声も震えてる
実際、こんな風になるのはペンギンの方だ
私がこんな風になる資格なんてない、怖がる資格なんてない
私が悪いんだ、私が悪いんだ、やめろ、震えるな、泣くんじゃない
「この話は、もうやめにしよう」
『・・・っ、はい』
「“探し物”の話をしようか」
『はい』
“探し物”とは、私の兄の目の事だ
実は師匠も探してくれていて、“その手”の人間たちとも繋がっているから
何か手がかりを掴んだのかもしれない、それに情報収集なら師匠の右に出るものはいない
「昔、まだお前が幼いころにお前の兄の写真を見せてもらった時があったね」
『はい、それが？』
「その者と似た人物を、この前見かけたのだよ」
『！！』
「見間違いなら無駄骨だが、おそらく、いや・・・間違いなく、お前の兄だろう」
『なぜ分かるのですか！？第一、兄さんは死んで・・・・・・』
「お前と顔が同じだったのだよ、そっくり、瓜二つでね」
兄さんが生きてる？
その後もいろいろな質問をして、兄さんらしき人物の特徴を聞き出した
どの特徴も兄さんに当てはまり、師匠の言う事に間違いはなかった
『どの島で見かけましたか？』
「心配しなくても、その島には必ず上陸するであろう」
『・・・？』
「その島には海賊の船が多数泊まっていた、ログを集めるためだろう
“ラフテル”を目指すにはログを溜めねばいかんのであろう？なら確定じゃ」
『そうですか』
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黒羽(プロフ) - 星猫さん» ありがとうございます！初めてコメントいただきました、励みになります（＾＾） (2021年9月11日 15時) (
レス) id: 6a93ddb834 (このIDを非表示/違反報告)
星猫 - もう一つのｐｃがしました。初めまして！とっても素敵です！高評価しました！ (2021年9月11日 15時) (レス) id: 7d3fe1e696 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぬこ x他1人 | 作成日時：2021年7月28日 11時
