鮮血の舞姫と飛べない鳥 2

綱引き ページ40

「ほら早く来いよ！」

『絶対に嫌だ！！』

「やらず嫌いは駄目だぞ！？いいからやってみろ！」

『料理上手2名に囲まれる料理下手の事も考えてくれ頼む！』

「いいじゃん気にしねェから！」

『私が気にするんだよ！！』


さぁ始まりました、第一回人間綱引き

ここでルールと現状を説明しましょう

この人間綱引きは、文字通り綱を引くのではなく人間を引きます

この場合はシャチが引き、私が引かれる側です

引く箇所は基本的どこでも構いません、ですが耳や鼻、髪の毛などはやめておきましょう

勝ち負けの判定は綱引きとほぼ同じ、力尽きた方の負けです

では現状の方を説明しましょう

引く側のシャチは、私に料理を教えたいのか、あるいは嫌がらせか分かりませんが
私にエプロンをつけキッチンに引きずりこもうとしています

掴んでいる箇所は右腕の手首です、痛ェ離せコラ

対する私は料理下手なので断固拒否、手を引っ張るシャチに全力で抵抗します

この場合、キッチンに引きずりこまれたら私の負け、無事に私が逃げきれたら
シャチの負けとなります

さて、勝敗は？


「いいから来いって、マジで」

『嫌だって言ってんだろバラすぞ！』

「Aー、口調ー」

『先ほどから何度もお断りしております、全身切断いたしますわよ！！』

「どこの言葉！？」


自分でも何言ってるか分かんないや、ごめんペンギン

ベポよ、突っ立ってないでこの惨状どうにかしてくれ

おおっと！ここで足先がキッチンの中へ入った！

詰んだか！？やはり男の力には抗えないのか！！


「うぃ〜」

『シャチ・・・あんた後で覚えときなさいよ』


勝者シャチ、敗者Aとなりました

やりたくない、本当にやりたくない

シャチは気にしないって言ってたけど、私は本当に気になるんだって

なんせ女のくせして料理できねェんだからな、これ言ったら性差別だけど


『うぅ〜・・・』

「どんだけやりたくねェんだよ」

『死んだ方がマシだ・・・』

「めちゃくちゃ落ち込んでるね」

『助けてよベポぉ・・・』

「ごめん、ご飯関係の事でシャチに逆らったら量減らされるんだ」

『仲間より夕飯か！』


ペンギンに助けを求めようとしたが、後ろを向き壁に手をついていた

笑いをこらえているのだろう、身体が小刻みに震えている

この場に私の味方はいない、ジーザス

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