海 ページ35
Aside
『ふぅ・・・』
「えー、急にどうした？」
『もうムカついたから蹴り倒しました』
「おい、意識ねェぞ」
それほど強く蹴った覚えはありませんが？
これですっきりした、実の兄だとか知るかよ
そういえば、この海の近くに海軍が現れただとか騒いでた奴が居たな・・・
『この近くに海軍が現れたそうです、とりあえずそいつらに引き渡しましょう』
「いいのか？A」
『いいのか・・・とは？』
「十数年も探し続けてきたんだろ、ようやく見つけたのに手放すのか」
床に倒れているフロードの顔を見る
兄さんの目を見つけた後、私は死のうと思っていた
ハーヴ兄さんの目の色と同じ海に飛び込んで、胸に目を抱えたまま
でも、それはこの海賊団に入るまでの話
今は死にたくない、死ぬわけにはいかない理由がある
それに、もういいんだ
『私には、ペンギンが居ますから』
兄さんの目が大好きだった
底知れない海底の様な、神秘的な目が大好きだった
ペンギンの目は兄さんに似てるけどちょっと違う
“ジュエル・アイ”独特の輝きが無い分、綺麗だと思う
兄さんの“海”とは反対の、上に果てしなく広がる“空”
“飛べない鳥”なのに空の目を持っている、そんな皮肉じみた目が大好きだ
『もう兄の目に執着するのはやめます、取り戻したって生き返るわけじゃないですから
・・・って、何で二人とも顔隠してるんですか』
「A・・・それ本人の前で言ってやれ」
「聞いてるこちらが恥ずかしくなってくる、もうやめてくれ・・・ふふっ」
『いや師匠はがっつり笑ってるじゃないですか』
数時間後、海軍が今いる島に上陸すると連絡を受け
港に泊まっていた船は一斉に隠れ場所を探し始めた
だが、この島に隠れれる場所は限られていたため、隠れるのが遅かった海賊団は
すぐ海軍に御用となった
もちろん、フロードの海賊団もだ
フロードの海賊団の海賊旗が見たことあるようなマークだったのは、故郷の人間を
皆殺しにした海賊団のマークをリメイクしたものだと、後で気が付いた
「この船が潜水艦で良かったな」
「おかげで潜って隠れられるしな！」
窓の外を泳ぐ魚を眺めながら、シャチとペンギンが話している
楽しそうにしているシャチと、優しく笑いかけているペンギン
あの二人こそお似合いだと思うんだけどな
昔からの顔なじみで、しかも相棒だなんて
途中でこの船に乗った私なんかより、よっぽど素敵だよ
・・・うん、シャチ可愛い
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黒羽(プロフ) - 星猫さん» ありがとうございます！初めてコメントいただきました、励みになります（＾＾） (2021年9月11日 15時) (
レス) id: 6a93ddb834 (このIDを非表示/違反報告)
星猫 - もう一つのｐｃがしました。初めまして！とっても素敵です！高評価しました！ (2021年9月11日 15時) (レス) id: 7d3fe1e696 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぬこ x他1人 | 作成日時：2021年7月28日 11時
