マーク ページ25
と、周りの空気が変わったことを察知したのか、男の顔からにやけが消えた
手に持っていたタバコを海に投げ捨て
男がそばに立っている海賊船とは違う船を指さした
「あの船から降りるのを見た、これでいいか」
『ああ、ちなみにどこに行ったかは知らねェか？』
「知るわけねェだろ」
この島のどこかに居る、それだけ分かれば十分だ
海賊船に乗っていた事は少し驚いたが、兄も私と同じ様に、私を探すために海賊船に乗ったのかも
振り返ってもう一度街で探そうと思った時、後ろから男に肩を掴まれた
『離せよクソ野郎』
「やっぱり、お前その目“ジュエル・アイ”だろ？」
どこか興奮した様子で男が言う
行くとこ行くとこ目を狙う連中ばっかりだ
何かぶつぶつ言い続けている男のみぞおちに肘を入れ、身体がよろけた瞬間を見計らって
股間を思いっきり蹴り上げる
そのまま服の襟を掴んで海へ放り込むと、我関せずと街へ向かった
街の人間の人数は少ない方だ、人を探すとなれば、すぐに見つかるはずだろう
なのに見つからない、となれば変装しているのだろうか
・・・しばらく歩いて疲れた、カフェで少し休んで行こう
『すみません、コーヒー一つ』
「はい、分かりました」
さっき男が指さした海賊船
その海賊旗に描かれていたマークは、初めて見たはずなのに初めてじゃない気がした
子供の頃に見たことがある気がする、よくあるドクロのマークに、蛇が絡みついた、あのマーク
ふと脳裏をよぎったのは、兄が殺された時の記憶
まさか
いや違う、兄が乗っているはずがない、きっと見間違いだ
「ちょいとお嬢さん、合席いいかい？」
声をかけてきたのは、帽子を深く被り、その上にフードを被っているという
どこからどう見ても“不審者”という出で立ちの若い男だった
首にはうっすらと刺青が見える
どうぞ、と返事を返すと、男はフードと帽子を脱いだ
そこに居たのは
『・・・・・・兄さん』
「や、久しぶり」
ずっと会いたかった人
あの時死んだと思っていた、たった一人の家族
すっかり子供の頃の雰囲気は消えているが、私と同じ顔
あの綺麗な目も、しっかり残っている
「いつぶりかな？10年、いやもっとあるかな」
『本当に？本当に兄さん？』
「本当だよ、大きくなったな」
『生きてるなら何で連絡くれなかったの？いや、そもそも兄さんは目を抉られて・・・』
「ああ、これね・・・とりあえず、Aの船長さんに挨拶させてもらえる？」
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黒羽(プロフ) - 星猫さん» ありがとうございます！初めてコメントいただきました、励みになります（＾＾） (2021年9月11日 15時) (
レス) id: 6a93ddb834 (このIDを非表示/違反報告)
星猫 - もう一つのｐｃがしました。初めまして！とっても素敵です！高評価しました！ (2021年9月11日 15時) (レス) id: 7d3fe1e696 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぬこ x他1人 | 作成日時：2021年7月28日 11時
