無効 ページ24
Aside
「島が見えたぞ！上陸準備！」
上陸前、必ず聞くベポの声が聞こえた瞬間、私は急いで外に出た
もしかしたら兄が居るかもしれない島を、一目見ておきたかったから
緑が多くて、豊かそうな島だった
師匠が言った通り、ログポースのログを溜めるためか、港には海賊が多数泊まっていた
度々新聞をにぎわせている海賊も停泊しており、堂々と正面に船をつけるのは危険だろう
ベポやキャプテンもそう判断したのか、船は島の裏側に停泊させる事になった
問題は、私が上陸できるかどうか
シャチのクジの細工はもう効かない
「A」
『はい？』
クジに当たるかどうかそわそわしていると、キャプテンに話しかけられた
「行って来い」
『え？』
「お前だけ特別にクジは無効だ、島に行って来い」
『い、良いんですか！？』
「・・・その代わり、絶対に見つけることを諦めるな、見つからなくても最後まで探せ」
『はい！ありがとうございます！』
キャプテンに深く頭を下げてから、私は島に上陸する準備を進めた
と言っても、財布とミニ応急セットなどつなぎのポケットに入れれるものだけ持っていくだけだが
シャチとペンギンには、兄の捜索は一人で行いたい事を伝えている
この島に居るとは限らないが、少しでも可能性があるなら一人で行う方が集中できる
私は急いで船から飛び出した
『街も駄目、裏路地も駄目か・・・』
探してみた結果は、残酷なものだった
兄を見た人間は居たものの、誰も居場所は知らないのだ
やっぱり、もう島を出てしまったのかもしれない
・・・・・・いや
“絶対に見つけることを諦めるな、見つからなくても最後まで探せ”
そうキャプテンに言われたんだ、諦めるわけにはいかない
『ハナからそのつもりですよ、キャプテン・・・絶対、見つけてやる』
自分を鼓舞するように、呟いた
まだ探していなかった場所は無かったか？もう一度話を聞いてみるか？
どちらにせよ、動かなければ状況は変わらない
少し危険だが、表に停泊している海賊にも話を聞くか
『ちょっと、話いいか？』
「あ？何だよ」
『“おれ”と同じ顔で、青い目の男って見なかったか？』
「さぁ？知らねェなぁ」
一人称や話し方を前の方に戻したのは、女口調だと舐められるからだ
船の下で一人タバコを吸っていた男は、私が女だからか知らないがへらへらしている
手荒な真似はしたくなかったが、仕方がない
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黒羽(プロフ) - 星猫さん» ありがとうございます！初めてコメントいただきました、励みになります（＾＾） (2021年9月11日 15時) (
レス) id: 6a93ddb834 (このIDを非表示/違反報告)
星猫 - もう一つのｐｃがしました。初めまして！とっても素敵です！高評価しました！ (2021年9月11日 15時) (レス) id: 7d3fe1e696 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぬこ x他1人 | 作成日時：2021年7月28日 11時
