沈黙 ページ18
ベポside
「キャプテン」
「悪ィな、ベポ」
「いいよ、あのくらい平気だ!」
「・・・そうか」
キャプテンに手招きをされて、おれは部屋の中に入る
シャチに見破られた時はヒヤッとした
シャチの言う通り、おれはペンギンの様子を見に行ってた
ペンギンの様子が見るに堪えなくてすぐ抜け出しちゃったけど
「どうだったか?ペンギンは」
「結構落ち込んじゃってる、あのまま自分を責め続けなきゃいいけど・・・」
うーん、と顎に手を当ててうなっていると、部屋のドアが誰かに叩かれた
叩いたのはAの師匠のロスカさん
綺麗な人だよなぁ、まぁおれはメスのクマにしか興味ないけど
「邪魔するぞ」
「Aの様子は?」
「だいぶ落ち着いた様じゃ、ペンギンの方はどうなっておる?」
「・・・・・・・・・」
「駄目なのか」
「ああ、自分を責め続けてる」
「何と貧弱な男か!と言いたいところじゃが、気持ちは分からんくもないからのう・・・」
部屋の中に居る三人のため息が重なった
一見平気そうに見えるけども、キャプテンも結構堪えてると思う
だってペンギンがあんなに落ち込んでるのに、何もしてあげられないから
おれもキャプテンも、誰かに恋なんかした事ないし、恋人もいない
ペンギンとAしか、立ち直れる方法は知らないんだ
「どうすればいいかのう?」
「知らねェよ」
沈黙が部屋の中を包む
どうしよう、どうしよう
「・・・とりあえず、これはまた明日考えよう、眠くて頭回んねェ」
「おや、もうそんな時間か?」
「もうすぐ消灯時間だね、おやすみ、キャプテン」
「ん」
「ロスカさんも早く寝なね!」
「分かった、ありがとう」
キャプテンとロスカさんにあいさつをしてから、部屋を出る
自分の部屋に戻る途中も、どうしたらペンギンとAの仲が戻るのか考えていた
・・・駄目だ!何も浮かんでこない!
自分の頭をくしゃくしゃにしながら立ち止まると、聞き覚えのある足音が聞こえてきた
「・・・A?」
「うおっ!!?」
暗闇から自分の名前を呼ばれたのに驚いたのか、すっとんきょうな声を出す
少しして、闇の中からAが出てくる
「何してるの?もうすぐ消灯時間だよ?」
「んー、ちょっとお手洗いにね」
「ああ!寝る前はすっきりしときたいもんね」
「うん、おやすみ」
「おやすみ!」
よかった、ロスカさんが言ってた通り落ち着いてるみたい
35人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
黒羽(プロフ) - 星猫さん» ありがとうございます!初めてコメントいただきました、励みになります(^^) (2021年9月11日 15時) (レス) id: 6a93ddb834 (このIDを非表示/違反報告)
星猫 - もう一つのpcがしました。初めまして!とっても素敵です!高評価しました! (2021年9月11日 15時) (レス) id: 7d3fe1e696 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ぬこ x他1人 | 作成日時:2021年7月28日 11時