lily of the valley 2 ―海道ジン―

Ｎｏ，13 ページ14

運悪く渋滞に巻き込まれ、車はなかなか動かなかった。

病院に着くと、看護師が私達を部屋まで案内した。
先生の顔は真っ青だ。
私の顔もきっとそうなっているのだろう。
部屋に着くなり2人に駆け寄る。

A 「優！ 愛！」

先生が病院の医師に尋ねるのが聞こえる。

先生 「2人は･･･？」

医師 「残念ながら。
　死亡時刻午後3時48分･･･。」

医師が死亡証明書を書く横で泣き崩れる先生。

信じられない。
ついさっきまで一緒に笑いあっていた友達と、もう話せないなんて。
「一生のお別れじゃない。」
なんて言っていたのはただの思い込み。

部屋のすみの陰が、やけに暗く感じられた。

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