小さな神威くんの飼育係

第8話 『あんたの親は？』 ページ8

『やっっとついた！！！！』



と重い袋を無造作に置き
またベッドにダイブしようとした時
肩にのるかむいが早くご飯と急かすものだから
仕方なく重い体を動かしキッチンへ向かった




『ひき肉買ったからハンバーグ作ろっか』




と肩にのるかむいに聞くと彼は
嬉しそうにアホ毛を揺らしている





『ねえ、油跳ねたら危ないから
テーブルの上にいなよ』




と彼に向かって手のひらを差し出す
するとかむいは俺もここにいる、ときかないので
仕方なく肩に乗ったまま料理を作り始めた





ー
ーー





『ねえ、本当に食べれんの？』




「余裕さ」





ともの凄い勢いでがっつくかむいに
クスッと笑みがこぼれる






『なんか、あんたが来てからこの家は
騒がしいや』




と苦笑。
するとかむいはハンバーグからひょこっと顔を出し
口を開いた





「…そういえばあんた親は？」






と、聞いてくる
その質問に昔を思い出し彼にこう伝えた





『母親は私が小さい頃に病死したよ
父親は単身赴任でどこにいるか分かんない』






とケラケラと笑い話かのように話す
するとかむいは眉をひそめ私をじっと見つめるばかり。





え、そんな暗い感じになる？
あたしそうならないために明るく言ったつもり
なんだけど。






『えっと、かむい〜？
どうした？』






とあたしが顔を覗きこめば
何故か彼は少し不機嫌そうに 何見てんのさ
と答えた






『なっ…、ほんとなんであんたって
そんな生意気なわけ』





とイラッとしながらもハンバーグを
口に頬張ると彼は小さく呟いた






「寂しく無いのかよ」






その一言で私の咀嚼が止まる
そして小さく私はこう答える







『さみしいよ。
だけど、かむいが居てくれてるから
全然寂しくないし、今は楽しいかな』





と笑うと、かむいは
そうかよ とそっぽを向いた






ー
ーー






『やばい！金曜ロードショーが始まる！！』




「そんなことはどうでもいいから
俺風呂入りたいんだけど」





とリモコンを奪われ
あたしを見上げるかむい





え、まず入れんの？
と言う疑問がわいてくる







『あ、え、』





「まさかあんた俺が本当に人形かなんかと
思ってるわけ？
悪いけど俺健全な男だから」





『いや〜…ごめん
そうだね、じゃあ待って用意する』






とあたしは風呂場へ直行
するとかむいはトテトテとあたしの後をついてくる






『えっと服どうする？』

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