小さな神威くんの飼育係

第7話 『買い出しへ』 ページ7

「ねえ、お腹減ったんだけど」




と、小さな手で私の頬をぺちぺち叩いてくるかむい
こいつのせいで私の大事な睡眠が妨害された





『もーなに食べんの？
あんたそんなミニマムサイズで
食べすぎなんだよ』





と、ベッドから体を起こす私
床に先ほど脱ぎ散らかした制服を仕方なく拾い
ハンガーにかけ、髪の毛をひとまとめにする





『で、なにが食べたいの』






「その前に服きてからご飯作れよ」






と鋭いツッコミがきた






『あーもう、うるさいなあ』






と、しょうがなくいつものロングTシャツを
上に羽織る






「肉が食べたい」






『え〜…ちょっと待って』






と冷蔵庫の中を確認。
運が悪く肉が無い。






『無いから他のもので 「やなんだけど」






と、このわがまま王子がいうもので
仕方なく買い出しに行くことにした






「俺も行く」





『はいはい、大人しくポケットに、』






と言い終わる前に彼は私の肩に乗った







『ポケットに入ってよ
そこじゃバレるじゃん』






「バレそうになったら
あんたの髪の毛を盾に隠れればいいだろ」






と私の縛ってる髪の毛をほどき
身を潜めた







『はぁ、わかりましたよっと』







ー
ーー







自転車を漕いで15分、
小さなスーパーに来た私たち







『安くて量の多いものは〜…』






と商品を眺めていると
かむいが私の髪の毛を軽く引っ張った







「これなんかどうだい？」






『おっ、いいじゃん！カゴに入れて。』






とカムイを手伝わせる
勿論見られていないかを確かめてからだ







「あとこれも」







と、どんどんカゴに肉やら何やらを
入れていくかむいに流石に止めに入る私







『ちょっと！その調子じゃ
私の貯金が底をつく！！』






「仕方ないな
じゃあこれだけで我慢してあげるよ」





と、カゴに入ってある大量の食べ物を
減らしていくが、結局レジ会計5000円分の食材を買う羽目になってしまった。







『もう！カムイが買いすぎるからだ！』





とよろめきながら自転車場まで歩く
まあ、ぶつくさ言っても買ってしまったものは
しょうがないのだが。





『ったく、仕方ない奴だな』




とぼやく私に
カムイは私の耳元でこう言った






「俺がもっと大きければ
こんな荷物持ってやれたんだけどね」






なんてあのわがままの生意気なカムイが言うもん
だから帰り道照れた顔を隠すのに必死だった

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