小さな神威くんの飼育係

新章 第20話 『クレイジーBOY』 ページ35

高杉晋助が春雨に来てから
神威の様子がおかしい。



それはあたしがここへ来た頃よりも
はるかに態度も違くて
周りの部下達も彼と少し距離をおいてるみたい





「団長...一体どうしちまったんだ？
見境なく色んなものぶっ壊して
上に怒られる俺の身にもなってくれ」





と背後から神威に話しかける阿伏兎。
ちなみに私はと言うと阿伏兎の背に隠れるように
神威を見ている





「...お前に関係ないだろ阿伏兎
俺の前に立ちはだかる邪魔な物は
何であろうと容赦なくぶっ壊す
それだけだ」






と1人スタスタとあるって行く神威。
それを2人眺めては、はぁぁぁぁー...っと
同時にため息をついた






「本当に人が変わっちまったのか？
食堂の壁はぶっ壊すは、あいつの前方を歩いて
いただけの事で部下は何十人も医務室送り、
今じゃあいつを恐るに恐れて、誰も近寄ろうと
しねェ...これじゃあ、第7師団もまとまらねェよ」





と頭を抱え項垂れる阿伏兎、





確かに今の神威は近寄り難い。
彼自身も誰も近寄るなみたいなオーラを放っていて
あたしでさえ話しかけられない状況なのだ





「まあ、お嬢ちゃんにはよく忠告しとくぞ
死にたくなかったら
今の団長には関わるな。何か用があれば
俺と一緒に団長に会いに行く
いいな？」





と頭をポンっと撫で彼は去っていった








団長には関わるな、か...。







どこか物足りなさを感じるのは何でかな
そう思いながら、私室へ戻った






ー
ーー






ボリボリ ボリボリ






「A、帰ってくんの遅いっスよ〜
いい加減待ちくたびれたっス」





と当然のように居座るこの金髪女




『人の部屋で勝手にポテチ食ってる挙句
床にボロボロおっこどしてんじゃねェェェ！！
つーか何の用だ！！！』





とポテチをすぐさま回収、
すると名残惜しそうに袋を見つめたあと
彼女は本来の目的を口にしだした





「神威の事っスよ
あんたも分かってると思うけど、
今のあいつはあんたにも危害を加える恐れが
十分にある。あんたの部屋は神威の部屋から
近いし、少しの間鬼兵隊の戦艦に来てたら
どうっスか？」





と提案してくれたまた子
確かに私とかむいは全くと言っていいほど
話してないし目も合わせてない
馬鹿な私でも分かってる。今の神威は
危ないって。だけど、







『あいつを1人には出来ないよ』







私はここにいる、
とまた子の目を見て言った

特別編 『作者だってもっとドSで小生意気な神威を書きたいんだ！！！ってなわけで特別編書いてしまいました。』→←新章 第19話 『憧れと恋心は紙一重』

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