小さな神威くんの飼育係

新章 第13話 『満月の夜の兎』 ページ28

総悟...皆...





『ごめん...』





と一言謝る






そして「A！？」






総悟が叫ぶ声など目もくれず
あたしは刀を捨て男の元へ歩む





「クスッ、随分としおらしくなったじゃないか
まあいい。」





とあたしを肩に背負い
男は部下達に命令した






「あとは任せたよ
適当に切り上げろ」






そう言うと 「またまた残り物かよー！！」





とオジサンが叫んだ。







「Aー！」







ー
ーー



あの後
大きな船に乗り込み、ある部屋へと連れてこられた私、




入って早々男はマントも脱がず
顔にまいている包帯も取らずそのままの状態で私に話しかけてくる




「そんなに畏まるなよ
俺は何もしない」





と男が私を見つめながら言う





『...信用出来るわけないでしょ
それと、真選組を誰か一人でも殺したら
絶対にお前らを許さない』






と答えると男は ふぅー
とため息をついた






「それは困るな
けど、お前にそう言われると思って
俺の部下にはもう言ってある」





と言われる
そこで私はひとつ疑問になる






『...お前に？
あんたあたしの事知ってるの？』






と不審に思う
いや。でもこんな雰囲気を纏った人など
一回会ったら絶対に忘れない、






でも、なんだろうこの懐かしさは







「クスクス、必ず会いに来なよなんて
言ったのはいいけどまさかこんなに早くに
会いに来るとはね」






まさか






いやでも、彼は違う
私の知っているあの人じゃない。
でも、








「さっき俺の部下に囲まれた時
言われた事思い出したんだろ？
"闘う相手を見極めろ" ってね」





と言われた瞬間に確信した







『か、か...！』







「ああ。」







そう言ってマントと体に巻いている
包帯を解いていく、
そして、







「ようやく会えたねA」






『神威ー？！』







ー
ーー






おかしい。私の知っている神威は
こんなにでかくない。そしてこんなに大人っぽく
ない。でも、姿、表情、形、全てが
あいつなのだ







「だから言っただろ
俺は健全な男だって」





『まさか本当だとは思わなかったんだよ！』





と大きなカムイを見上げる私。
ついこの間まで小さな男の子だと思ってたのに...






「何変な顔してるんだよ
それとお腹減ったんだけど
ご飯作ってよ」






超小生意気の超俺様我儘男に
なってるー！！！





しかも顔がいいから尚ウザイ

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