特級呪術師と新世界。

よんひゃくに。 ページ3

ざく、と地面に降りる。うーん相変わらず薄暗い島だ。こんな短期間に2度も同じ島に行くってのは初めてな気がする。
食料とかは、向こうさんが善意で分けてくれようとしてたけど断った。この島にも食べれるものくらいはあるだろう。六眼で見りゃあ毒かどうかもわかるし。

「…………それじゃ、おれ達はこの島には降りないからな！」
「はい、ありがとうございました本当に。」
「や、お礼を言うのはおれ達の方だと思うからさ！気にすんなって！」
「困った事があったら駆けつけてあげるよ」
「そりゃあ心強い。……連絡手段はないですけどね。」
「長居しすぎるのもアレだ、これでお別れだよい」
「じゃあ……くれぐれも死なないようにしてください。白ひげさんはまだ起きてないんですよね、起きたらよろしく言っといてください。」
「ああ」

錨も下ろしてなかったからすぐに白鯨は島から離れていった。あっさりしてんなァ……。


てな訳で、2年の間1人でここに住む事になる。
まずは地理の確認、それと拠点の確立。最初は地理の確認からかな。前回見聞色でこの島を探ったときはざっくりとした確認だけだったから、細かい所はまだよく分かっていない。
人が居ない事は分かってるけど、過去にも人が住んでいなかったと決めつけるのはよくないからね。その人が寝床にしている所があったらそれを拝借するつもりだ。

「んじゃ、探索開始ー…。」

…………独り言を言い続けるのはちょっと寂しいけど。

そこらへんで拾ったちょうどいい長さの枝で岩やら木やらをぺちぺち叩きながら探索すること30分。

そんくらい歩きゃあ偶然じゃない事くらい分かる。

「……動物が居ねェなこの島。」

前は気にならなかったけど。熊とか大型動物は勿論小鳥までもが居ない。ついでに人が住んでた形跡のある所とかも今の所無い。島の半分はもう探索済なんだけどな。
ってかさっきからなんか妙に息苦しくなってきてる気がする。やっぱ戦争離脱してから結構の間寝てたから体力落ちたのかなァ。体力回復からやるべきか？

四次元巾着の中から時計を取り出して時間を見る。割とお昼どきの時間だった。
探索ついでに食料調達、の時間かな。

「山菜とか木の実とか……あとは魚とかか。」

釣り竿って巾着ん中入れてたかな…………あ、あった。まあでも釣りは海の方に出るまで食料を見つけられなかったときにやるかな。最終兵器だ釣り竿は。
まずは山菜。きのこ。ついでに住居探し。

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