心きらめくような (ページ21)

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＊20 ポッキーページ21

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『…zzzz』

織山「Aー、起きて、帰るよ」

『……』

あ、織山くん。私寝てた？

暖かい部屋で寝ていたせいか起きるのが少し嫌だ。

大好きな匂いが側にいて、心地いい。

起きたくない。

『…ンー』

織山「あ、こら。また寝ようとしないでよ」

もうちょっとだけここに居たいな。

織山「えい」

『痛い痛い痛い痛い痛い！！…え？なに！？』

織山「必殺、贅肉しぼり」

『ピースしないで！！めっちゃ痛いんだけど！』

織山「Aが起きないのが悪いんじゃん」

『そ、それはそうだけど…ていうかしれっと私のお腹を贅肉って言わないで』

織山「起きた？(笑)」

『うっ……』

フッと笑いながら覗く顔が綺麗すぎて言葉を失った。

『お、起きた』

織山「じゃあ帰ろう」

『あれ？湧たちは?』

織山「先帰ったよ」

『えぇ！？』

織山「なんか(いいもん見させてもらったわー笑)とか言って、お代払って帰って行ったよ」

『湧が払ってくれたの！？……ていうかいいもんってなに？』

織山「…さぁ？Aの食いっぷりじゃない？」

『エェ、恥ずい』

織山「今更でしょ」

ゲシッ！

織山「イテッ！」

．

『織山君、もしかして私が起きるの待ってた？』

織山「待ってた。いつまで経っても起きないから結局起こしたけど」

『わー、すいませーん』

織山「ごめんと思うならもう少しそれっぽい返しして？」

織山君はぐちぐち文句を言いながらなんだかんだ言って優しい。今なんか家まで送ってくれるし。

織山君が先輩や同期、メンバーに好かれる理由がよくわかる。

織山「てか、俺もちょうだいよそのポッキー」

『えー、これちょっといいポッキーで4本しか入ってないやつだからダメー』

織山「かわ……」

『かわ？…皮？』

織山「…それめっちゃチョコ多いやつじゃん」

『うん！すっごい太いの！美味しい』

織山「まだ食べんの？(笑)」

私多分、織山君のふとした瞬間に見せる笑顔に弱いかもしれない。

そう思ってあることを思いついた。

『織山君、笑って！写真撮る！』

織山「…は？」

いきなり何何言い出すの?と真顔に戻る。

『ポッキーあげるのにー、太いよ？コレ』

いいやつだよー？と織山君の目の前でポッキーを見せびらかす。

織山「…やっぱりいらない」

『ちっ』

高級ポッキーを餌にしても無理か。