おおかみは赤ずきんに恋をした (ページ3)

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3話ページ3

〜Your side〜

家を出ておばあちゃん家に向かっていく。

A「あ、この森で花を摘んで花束にしようかな」

しばらく歩いたところにあった森を見てそんなことを思いついた。

おばあちゃんお花好きだもんな〜なんて考えながら森に入っていった。

A「そういえば、この森って狼がいるんだっけ...」

歩きながらふと思い出す。

え、普通にやばい、花束どころじゃないよ。

早く抜けようと思って足を早めると、

A「......ん？何だろう、あの影？」

気のせいだろうか、少し先の木の根本から何か動いたような影が見えた気がした。

少し怖いけど、隠れたって事は向こうも私が怖いのかな....?

気になって、木の側を通り過ぎるとき、影が入っていったように見えた方を見てみる。

A「え、」

綺麗な緑色の目の狼と目が合った。

とっても綺麗な、暖かい野原の芝生を連想するような優しい目だった。

不思議と恐怖心は感じなかった。優しい目のおかげなのかな.....

驚いて少し声が出たけど、聴こえてないかな.

A「ほんとに『赤ずきん』みたい」

お話が現実にならないようにと、小走りになりながら木から離れる。

後を振り返っても、もうあの木は見えない。

少しずつ民家も出てきたから、森を抜けたのかな。

A「....びっくりした」

小さく呟いてから、気を取り直しておばあちゃん家に向かう。

走ったから顔が熱いし、心臓が速いんだ。

じゃあ、どうして

「また会いたい」なんて思ってるんだろう。