2話 ページ2
〜wolf side〜
この森には狼がいる。
狼と一言で言っても、みんながみんな人間を食べるわけじゃない。
それはほんの一部に過ぎない。
俺は人間を食べないほうの狼。
健と名付けられた俺は、もう立派な大人の狼になった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
よく晴れた暖かい日、俺はいつも森の中でも日当たりのいい場所で昼寝をしている。
そこは人も滅多に通らないため、のんびりするには最適な場所だ。
今日もいつもと同じようにそこへ行き、お気に入りの木の下で昼寝をしていた。
ふと、いつもこの場所では聞くことのない音が聞こえてきた。
健「....人間の足音?」
びっくりした。普通、人は狼を怖がってこの森を通らないはず。
人間を食べないなんて信じてもらえるわけもないし、怖がられて命を狙われても嫌だから
木の後ろに隠れておこう。
見つかってはいけない。
そう思うけど、どんな人が気になるからそっと木の陰から覗いてみようかな。
赤い頭巾をかぶった女の子と目が合った。
ドキッとした。
その子がとっても可愛かったから。
通りすぎる気配がした後、そっと後ろ姿を見ると
手に持ったバスケットから飲み物のボトルが見えている。
健「確か、この先に一人おばあさんが住んでるんだっけ...
その人のお孫さんとかかな....?」
揺れる赤色の頭巾を見ながらそんなことを考える。
ただ、珍しく人を見ただけ。目が合っただけ。
それなのに、どうして
こんなに胸がドキドキするんだろう。
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:よもぎ | 作成日時:2021年9月2日 21時