#16-1 JM ページ8
KBS歌謡祭でのパフォーマンスに向けての練習。
Big Hit の練習室で行われるのは、これが最後だ。
ジョングクは前回ユナと事務所で会った時にカトクを交換したらしい。
ジミンが練習室に着くと、もう既に練習室にはジョングクの姿があった。
「なんで僕より先にいるんだよ」と内心ツッコミながら声をかけると、ジョングクはあからさまに口を尖らせた。
いや、今日ユナさんがうちに来てるのは僕と練習するためなんだけど。
お前まさかユナさんに会うためだけに事務所に来たわけ？
不満そうな顔を隠そうともしないジョングクに「何しにきたの」と尋ねると、「ユナさんに会いに来ました。ついでにトレーニングをしようかなと」と堂々と答えるものだから、ジミンは苦笑した。
「お前ね、少しは隠そうとしなさいよ」
JK「？なんでですか？」
「はぁ…」
ちらりと横目でユナを見れば、頬を赤くしながら、居心地が悪そうな顔で俯いていた。
そりゃあそうだ。
いくら「うちの事務所は」恋愛禁止ではないとはいえ、これだけ人前で堂々とアプローチされれば、困るだろう。
悲しいことに、いつ、どこから、誰から情報が漏れるとは限らないのだから。
嗜めるようにジョングクの名前を呼べば、ジョングクは罰が悪そうに頭を掻いた。
「ほら、もう練習始まるから。いったいった」
JK「はぁい。…ユナさん、それじゃあまた後で」
少しは反省したのか、小声で囁いてから立ち去ろうとしたジョングクをユナが呼び止める。
逡巡するように視線を彷徨わせてから、ユナが顔をあげた。
YN「、がんばりましょう」
「…！！はい！頑張りましょうね！」
ぎゅっと両手で握り拳をつくったユナに、ジョンググが破顔する。
軽く握り拳を合わせたジョングクは、スキップしそうな勢いで、意気揚々とスタジオをでていった。
ーーー頑張って、じゃなくて、頑張りましょう、か。
「一緒に頑張ろう」という気持ちが込められた言葉。
時にその言葉は単なる応援の言葉よりも、もっと力をくれる。
ユナはきっと、ジョングクの側に寄り添うだけじゃなくて、ジョングクの隣に並んで、一緒に歩いてくれる子だ。
ジミンは人知れず笑みをこぼした。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 399人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
kamome(プロフ) - みゆさん» ありがとうございます。そう言っていただけて、嬉しいです😊 (2023年2月3日 15時) (
レス) id: 7a5f009426 (このIDを非表示/違反報告)
みゆ(プロフ) - とても素敵な作品でした！続編楽しみに待ちます。 (2023年2月3日 6時) (レス) @page39 id: 0654fcd9f0 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：kamome | 作成日時：2023年1月30日 4時
